「チャンピオンズC・G1」(12月3日、中京)
連覇へ向けて、視界は良好だ。昨年の覇者
サウンドトゥルーは29日、美浦坂路で単走。既に1週前で事実上の最終リハを終えており、息を整える程度だったが、陣営は順調ぶりを強調した。前走のみやこSで重賞初制覇を決めた
テイエムジンソクは、栗東坂路で併せ馬。メンバー中、断然の勢いで一気に頂点をつかみ取る。
22日の1週前追い切りで、事実上の最終調整は終了。あとは指揮者と演奏開始への呼吸を整えるだけだった。
サウンドトゥルーは主戦の大野を背に、美浦坂路を軽快なリズムで駆け上がる。余計な味付けはせず馬なりのままフィニッシュ。4F54秒7-40秒3-13秒1。両者の感性がぴたりと符合した。鞍上は「先週あらかたやっているので、強い追い切りは必要ない。順調に来ていることを確認できた」とうなずいた。
続けて「今年は秋のスタートから調子がいいな、と感じていた。不安なくレースを迎えられるし、中京は相性がいい。何の問題もないと思う」と歯切れがいい。連覇が懸かる大一番。昨年は挑戦者の立場で展開、コース取りなど全てがうまく運んだ。JBCクラシックを勝って臨む今回は受けて立つ側に回る。楽な競馬はさせてもらえない。
大野は「プレッシャーがある中でやれることをうれしく思う。ある程度、型が決まっている馬。枠、展開で変わるけど、臨機応変に対応したい」と言い切った。先週までに53勝(地方1勝を含む)を挙げ、昨年マークした自身の年間最多勝(54勝、うち地方2勝)に王手をかける。自信を深めたからこその言葉だろう。
ここに至るまでの
ステップも昨年以上だ。高木師は「去年は夏場の放牧から戻った時、少し硬さが見られた。今年は気になる面がなかった」と胸を張る。さらに「(前走の)JBCは3コーナーから動き、勝ちに行く競馬で結果を出した。その反動もなかったし、本当にいい状態です」と前走の勝ちっぷりに成長を感じている。
トランセンド(10、11年)以来、史上2頭目の連覇を目指す一戦に「ダートG1はコロコロ勝ち馬が変わる。混戦は混戦だけど、しまいは確実に脚を使う馬ですから」とキッパリ。不安な点は何ひとつない。
提供:デイリースポーツ