「
阪神JF・G1」(10日、阪神)
無敗女王の誕生だ。2番人気の
ラッキーライラックが無傷3連勝でG1制覇。
オルフェーヴルの初年度産駒が大舞台で輝いた。
石橋脩は5年ぶりのG1制覇。幾多の名牝が誕生した舞台を制し、来春のクラシックへ弾みをつけた。2着は3番人気
リリーノーブルで、3着は4番人気
マウレア。1番人気
ロックディスタウンは9着に沈んだ。
三冠馬のDNAを受け継ぐ才媛の目の前に、名牝への道が開けた。2番人気の
ラッキーライラックが無傷の3連勝で2歳女王に。G1・6勝馬
オルフェーヴルの初年度産駒から、いきなりG1馬が誕生した。
石橋脩は断然人気だったその
オルフェーヴルを下した12年
天皇賞・春(
ビートブラック)以来、2度目のG1制覇。「うれしいですね。前走は少し力んでいたけど、きょうは馬が落ち着いていて、ホントに賢い馬。抜群の反応でした」と、満足そうに端正な顔をほころばせる。
道中は中団8番手の外を追走。「思ったより後ろになったけど、折り合っていたし、絶対に前走よりいい脚を使えると思っていた」。直線は手応え十分に外に持ち出し、左ステッキを連打。「“勝ちたい”と思っていた」。勝利への執念を腕に込め、先に抜けた同じ無敗馬
リリーノーブルをかわしてゴール板を真っ先に駆け抜けた。
G1戦線は外国人騎手が席巻中。天皇賞(
キタサンブラック)の
武豊以来、この秋2度目の日本人ジョッキーの勝利となったが、
石橋脩にとっては、長く険しい道のりだった。「つらい時期もあったけど、自分なりに努力をして、またG1を勝ちたいと思ってやってきて良かった」と久々にかみしめる美酒の味に酔った。
松永幹師は09年の
秋華賞(
レッドディザイア)以来の平地G1制覇。「強かった。中団で人気馬を見ながら走れていたし、冷静に見ていましたね。ホントに力のある馬」と満面の笑みを浮かべた。丸内助手も「上に行く馬だと思っている。大物になるかなって思っていたからね」と胸を張る。G1初制覇は、まだまだ序章にすぎない。
このあとは放牧へ。来春の
桜花賞(4月8日・阪神)を目標に、
チューリップ賞(3月3日・阪神)からの始動を視野に入れる。「距離は延びてもいいと思うし、来年が楽しみ」とトレーナー。寒風の吹く仁川で女王の座を射止めた
オルフェーヴル産駒が、桜の季節に再び大輪を咲かせてみせる。
提供:デイリースポーツ