「
有馬記念・G1」(24日、中山)
さあ、有馬ウイークの開幕だ。初日に登場願ったのは、10戦連続3着以内の記録を打ち立てるなど、今年のJRA・G1で大暴れ、
スワーヴリチャードで挑む
有馬記念で年間G1最多7勝目を狙う
ミルコ・デムーロ騎手(38)=栗東・フリー。“栗東取材芸人”こと、お笑いコンビ・ビタミンSのお兄ちゃんの直撃取材に大一番へ向けての思いなどを語った。
◇ ◇
-それにしても、今年のミルコはすごかったね。最初のG1
フェブラリーSから、史上最多タイのJRA・G1・6勝と大活躍!
「本当にすごいですね(笑)。今年は
金杯(
京都金杯アストラエンブレム4着)からあまり良くなかったけど、2月からだんだん良くなってきて、
フェブラリーSを勝てた。プライベートはいろいろあって大変な年だったんだけど…その分、仕事に集中するようにしていたよ」
-プライベート大変やったんや…。まあ、そこはあえてつっこまないけど、全然まわりに気付かれないようにしてたね。
「みんなに“ミルコなんかあったのかな?”って、言われたくないからね。若い時から、そういうときこそ、仕事を頑張るようにしているんだ」
-逆に力に変えて、レースでこんなに結果を出してたんやね。ミルコは、本当にG1とか大舞台に強いよね。僕もいっぱい馬券を獲らせてもらった(笑)。どうして、プレッシャーのかかる場面で、結果が出せるの?
「僕はプレッシャー大好きだから。逆にプレッシャーがないと集中できない。今年はたくさんG1を勝ちましたけど、取りこぼしもあった。たくさん勝っても1回負ければ悔しい。それが僕の性格。他の人も同じだと思うけど、僕はもっともっと勝ちたい。満足することはない。するのは引退する時だと思っているよ」
-
有馬記念で騎乗する
スワーヴリチャード。初コンビの
アルゼンチン共和国杯は完勝だったね。
「すごく強かった。スタートもうまいし、レースでも折り合いがついていたね」
-今回は右回りだけど。
「大丈夫と思う。調教はいつも右回りだから。利き脚が左で、その力が強いけど、全く問題ないと思う」
-前走は四位さんからの乗り代わり(※1)。ミルコは、その前に“ずっと乗っていた四位さんに筋を通さないと嫌だ”って直接、話に行ったんだってね。それで四位さんに“いいよ”って言ってもらって、レースも勝った。あの勝利の裏にそういうことがあったって聞いて、もっとファンに知ってほしいと思った。
「大事なことと思っています。僕も昔そういうことがたくさんあったし、気持ちは分かるから。それをしないと、“ミルコ、ムカつく!稼ぐだけ”ってなるかもしれない。僕は今、日本の騎手。昔から、日本の人には本当に優しくしてもらった。悪いことはしたくない。みんな大好きだからね」
-今年最初のG1
フェブラリーSも勝ったし、最後の
有馬記念も勝って、史上最多のJRA・G1・7勝目で締めたいね!
「お兄ちゃん!最後じゃないよ!!今年ラストのG1は28日の
ホープフルS(笑)。僕は記録が大好き。G1・7勝目、8勝目といきましょう!」
-今年はどのG1勝利が印象的だった?
「全部です。
フェブラリーSは、去年勝った
モーニンじゃなく、
ゴールドドリームで連覇できました。
宝塚記念は
サトノクラウンで(同じ堀厩舎で昨年2着の)
ドゥラメンテのリベンジができた」
-
オークスから始まった、G1連続3着以内の記録は秋もどんどん伸びていった。
「
スプリンターズSの
レッドファルクスもうまくかみあったし、
モズカッチャンは
秋華賞で落鉄したけど、
エリザベス女王杯は頑張ってくれた。マイルCSの
ペルシアンナイトも大外枠で勝てた。
キセキは
神戸新聞杯はツイてなかったけど、
菊花賞はあの馬場でよく走りました」
-その
キセキ。香港は残念だった(※2)。
「あれが
キセキの本当の力じゃないないよ。そう言えば、お兄ちゃん、香港まで来てくれていたね」
-気付いてくれてたんや!
「もちろん。だから、お兄ちゃんに向かってポーズしたでしょ」
-あれ、そうやったんやね…(汗)。ゴメンゴメン。さて、そんな今年も残りあと少し。最後まで大活躍を期待しているからね!
「
有馬記念の
スワーヴリチャードはもちろんだけど、
ホープフルSの
ルーカスも、とてもいい馬。(自身の手綱で08年の
ジャパンCを勝った)
スクリーンヒーローの子どもだし、楽しみですね!」
※1…
スワーヴリチャードには、デビューからダービー2着までの6戦全てを四位が騎乗。秋からM・デムーロとの新コンビとなった。
※2…11日の
香港ヴァーズ・香港G1で9着。レース後に右前脚に軽度の故障が見つかった。
提供:デイリースポーツ