「
有馬記念・G1」(24日、中山)
勝たせた2頭はオグリにディープ。
有馬記念で2度の劇的有終Vを演出した
武豊騎手(48)=栗東・フリー=が今年、ラストランとなる
キタサンブラックで大一番に挑む。これまで11戦コンビを組んできた相棒への思い、刻一刻と迫る
グランプリに向けての意気込みを大いに語った。
◇ ◇
-先日、日本人初となるロンジンIFHA国際功労賞(※)に選出。おめでとうございます。
「まだ現役なのでピンとこないけど、評価してもらったのはうれしいね。でも、自分一人の力ではない。日本みんなで取った賞みたいなものだと思っていますよ」
-いよいよ今週は
有馬記念。
キタサンブラックに騎乗する。
「前走後も順調と聞いているし、本当に丈夫な馬。年に6回もG1を走る馬なんてなかなかいないからね。しかも、結果を残しているし」
-ファン投票は堂々の1位。
グランプリレースは昨年の
宝塚記念から4回連続で1位の支持を集めている。
「人気の高さを感じるし、勝ってほしいと思っている人が多いから。勝たせてあげたい」
-昨年は2着。ゴール寸前で
サトノダイヤモンドにかわされた。
「あと少しだった。昨年よりも強くなった感じがするからね。
大阪杯の時に、さらに強くなったなと。今年こそはと思う」
-前走の
ジャパンCは3着に敗れた。
「
シュヴァルグランがこんなに強いの?って。全てがうまくいったにしても強かった。上位3頭のレベルは高い。そりゃ、4着は離れる」
-レース後には落鉄が判明したとか。
「レース中に違和感を感じなかったし、帰りに落鉄したんだと思う。(レース後の落鉄は)よくあること。負けはしたけど、失望するような走りではなかった」
-今年の漢字には“北”が選ばれた。
キタサンブラックも理由のひとつだという。
「世相に反映するなんてね(笑)」
-オーナーは歌手の北島三郎氏。
「
天皇賞・春の時には生歌を真横で聞くことができた。今回はファンもいっぱい競馬場に来てくれるだろうから。楽しみ」
-自身にとって
有馬記念とは。
「ダービーはお祭り感があるし、全然違うかな。ダービー出走のG1馬は多くても2勝ぐらいでしょ。でも、
有馬記念はすごいメンバーだから。ファンも目の色が違う。
有馬記念の方が歓声も大きいし。返し馬のときも“まぁまぁ。まだ20分ぐらいあるから”って思う。レースも1周目なのにすごい歓声で。“まだ1周あるから”って(笑)」
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キタサンブラックは今回がラストラン。
「ずっと、頑張ってきたのもあるし、主役として堂々と走ってきたから。最後に勝たせてあげたいという気持ちが強いね」2面に続く
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有馬記念はこれまで2勝している。
「
オグリキャップと
ディープインパクトで勝っているけど、どちらもラストランなんだよね」
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オグリキャップは
天皇賞・秋6着、
ジャパンC11着と敗れていた。人気を落としたなかの復活Vだった。
「正直、勝てると思っていなかった。週中におやじ(武邦彦元調教師)がポツリと“オグリが一度でも先頭に立てば、ファンが喜ぶんと違うか”とつぶやいたんだよね。確かに、最後はオグリのレースをした方がいいかなと、全盛期と同じレースをした」
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ディープインパクトは
ジャパンCを勝ち、G1・7勝目が懸かっていた。
「“負けてほしくない”っていう空気がすごかった。自信もあった。アク
シデントがなければ勝てると思っていた」
-引退レースは騎手も力が入る?
「これで最後か…さみしいな、っていうのはあるけど。結果は結果だからしょうがない。ただ、悔いの残るレースだけはしたくないなって思う」
◇ ◇
※長年にわたりサラブレッド競馬の発展に多大な貢献を果たした競馬関係者に送られる賞
提供:デイリースポーツ