有馬記念(12月24日・中山芝2500m)が引退レースとなる
キタサンブラック(栗東・
清水久詞厩舎)。さすが2位に4万票以上の差をつけたスターホースだけあって、その最終追い切りを取材する報道陣が数多く詰めかけていた。
朝一番のCWコース。いつもの
黒岩悠騎手(レースは
武豊騎手)が跨り、
ビップレボルシオンとの併せ馬。前半からかなりゆっくりとしたペースは先週とは全く違う。当然ながら道中が遅かった分、時計は遅くなって、全体の数字は6F86.2〜5F70.6〜4F54.9〜3F40.2〜1F12.5秒。
この数字だけ見ると、3着に敗れた前走時と変わらないように見える。しかし動きの違いは歴然。前走時はゴール前で促されないと前へ出ようとしていなかった動きが、今回は鞍上が引っ張って行きすぎないように注意しなければいけないくらい気持ちが乗っていた。
きっと前走後からここまでの調整過程の違いが、動きの違いになって表れたのだろう。陣営としては、やるべきところはしっかり負荷をかけて、オーバーワークには注意を払うといった仕上げ。あとはラストランに向けて、ゲートが開くのを待つばかりといったところではないだろうか。
(取材・写真:井内利彰)