有馬記念(GI・中山芝2500m)に出走予定の
サトノクラウン(牡5・美浦・
堀宣行)が、ポリトラックコースで最終追い切りを消化した。追い切りを終えて、管理する堀調教師が共同記者会見に臨んだ。
(今日の最終追い切りについて)
「先週まだ少し鈍いところがあったので、今週はその部分を補っておこうと思いました。先週追い切った後、週末には速い時計を出さなかったので、追い切りと追い切りの間隔を考えて、少し強めにやる必要があるということで、今日水曜日にポリトラックで行いました。先週より動きは良くなっていて、良い状態に持ってこれたかなと思っています」
(これまでとは違って先週、今週とポリトラックで追っているが、その狙いは?)
「大きな理由は2つあって、1つはメンタル面です。走る気をどういうふうにコントロールするかというのが1番難しいのですが、普段乗っているウッドや坂路にはすっかり慣れてしまい、フレッシュな感じがなくなって、自分でゴール板あたりで気を抜いたりなど、そういう部分が目立ってきていました。その辺に少し刺激を与えるためにもポリトラックにしました。
あとは仙腸関節が大きくずれている馬なので、競馬のあとは背腰の疲れが1番最後まで残ってしまうことから、ウッドよりもポリトラックの方が負担が少ないというのも、大きな理由です。またウチの厩舎では冬場は暖かい時間にしか追い切りをしなくなるのですが、その時間帯だとウッドの方もだいぶ荒れてしまうという事情もあります。その辺も含めて、ポリトラックでの追い切りになりました」
(
ジャパンC・GI・10着について)
「レース前やレース後もいろいろと検証してみましたけども、状態としては秋の天皇賞(GI・2着)とほぼ同じくらいの状態にあったのではないかなと思っています。馬場とあのペースの中での位置取りということで、なかなかその辺が噛み合わなかったのかなという印象です。
1回脚を使ってしまうと気の悪いところを出してしまい、負ける時は大きく負けてしまうというのがこの馬のパターンというか、悪い面が出てしまいました。そういった意味ではそんなに悲観していません」
(中山の2500mの舞台については?)
「内回りは良いと思いますし、坂も苦にはしないと思います。ただ2500mはちょっと長いかなという気がします。そこら辺は工夫が必要だろうなと感じています」
(どんな工夫を?)
「相手関係や枠順、1番大きいのは馬場状態だと思いますけども、その辺をよくジョッキーと話し合いをして作戦を決めたいと思います」
(久々にムーア騎手が乗るが、中間何か話をしたか?)
「前走の敗因や、JCに彼も乗っていましたので、そのレースの中で感じたことなどの話はしましたけど、まだ帰国中なのでこのレースに向けての話はまだしていません」
(
宝塚記念に続いて春秋
グランプリ制覇がかかっていて、さらにファン投票も第3位、どんなレースを見せたいと考えているか?)
「いろいろと繊細なところのある馬ですが、この後もなるべく良い状態で出走させるように努めて、
ホースマンシップにのっとった良いレースを見せられればと思っています」
(取材・写真:佐々木祥恵)