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キタサンブラックに騎乗予定の
武豊騎手――いよいよ
有馬記念が今週末に迫ってきました。
武豊 本当にいよいよだな、という気持ちで身が引き締まる思いです。
――今年は例年とはまた違う気持ちでしょうか?
武豊 そうですね。
キタサンブラックですし、さらに引退レースということで、いろいろと思うところは強いです。
――今朝7時に追い切られました。騎乗していた黒岩ジョッキーとは話をされましたか?
武豊 そうですね。たまたま僕は他の馬に乗っていたんですけど、タイミングが一緒だったので「どうだった?」とは聞きました。「いい追い切りが出来たと思います」と言っていました。
――万全の状態で
有馬記念に挑むということになりそうですね?
武豊 そうですね、はい。
――前走の
ジャパンCを振り返ってください。
武豊 馬の状態はすごくよかったと思います。レースもスタートが決まったので正攻法でいって。直線半ばくらいではいいかんじだと思ったんですけど、上位2頭が強かったのもありましたし、最後は少し残念な結果でしたけど。馬の走りとしては悪くなかったと思います。レベルの高い走りだったと思います。
――
有馬記念ではどういった競馬をしたいと思いますか?
武豊 それはファンが望んでいる競馬はやはり先頭でゴールインする姿だと思いますし、それに向けてベストを尽くしたいですね。
――春の
グランプリも含めて4回ファン投票1位になっています。
武豊 そういうところにも、この馬の人気の高さは感じますし、ひじょうにありがたいです。そういう馬の主戦を任されるというのは騎手として本当に光栄なことなので、過去3回のファン投票のレースではまだ1着になれていないので、最後ですけど“今度こそは”という気持ちは強いです。
――武さんは
有馬記念で
オグリキャップや
ディープインパクトのラストランの手綱をとっていますね。
武豊 有馬記念はそういう活躍した馬の引退レースになるケースが多いんですけど、この馬は本当に注目度が高いというか、ひじょうにファンの多い馬ですし、デビュー以来ずっと本当にいい走りを続けてきてくれている馬なので。やはり最後を飾らせてあげたいという気持ちは強いですね。
――北島オーナーから何か声をかけられましたか?
武豊 特にはないですけど、かけられるとプレッシャーになるので(笑)
――改めて、この馬の強さはどんなところでしょう?
武豊 そうですね、デビュー当初は僕は乗っていなかったんですが、最初からデビューのときから期待されていたというわけではないと思うんですけど。常に
トップレベルを走り続けて結果も出して本当に凄い馬だな、と思います。一番凄いのは結果を出すところだと思います。あとはサラブレッドとしての能力、総合力がひじょうに高い馬だと思います。
――今年走る6戦はすべてGIなんですよね。
武豊 そうですね。一年に6回もGIを主役として走る。これはかんたんなことではないと思いますし、それに挑んでここまで今年だけでも3勝しました。凄い馬だと思いますし、でも最後はすごく大事だと思います。
――最後にファンの皆さんへメッセージを。
武豊 本当に
キタサンブラックもいよいよラストランなので、本当にこの馬には僕自身も、感謝…がいちばん…なんていうんですかね、まぁ感謝しかないというか、ひじょうに励まされた馬なので、最後一緒に勝てれば…というか、ぜひ勝ちたいと思っていますので応援してください。
(取材・文:花岡貴子)