4日朝、7日に行われる引退式に向けて体調を整えている
キタサンブラックに
清水久詞師が自ら騎乗し、坂路をキャンターで軽快に駆け上がった。計測時計は68.6-49.3-32.3-15.9。
ラストラン後も馬場で乗っている理由は、体調維持と
キタサンブラック自身のメンタルの安定のため。
「引退式でいきなり鞍をつけて久しぶりに乗るのは、かえって危険」(清水師)との事で、昨年12月31日から連日、坂路で軽めのキャンターを消化している。
清水厩舎は調教師自ら管理馬全頭に何らかのかたちで騎乗し、感触を確かめるのが基本方針。しかし、ここ最近は
キタサンブラックに「乗りたい」という気持ちを抱えながらも、他者に任せて騎乗してはいなかった。
「新馬や
菊花賞前に乗ったのは覚えていますが…、しばらく乗っていませんでしたね」とニッコリ。
久しぶりに
キタサンブラックに乗った感触を聞くと、笑顔がさらに綻んだ。
「やっぱり違いますね。椅子で言ったらパイプ椅子や自転車の荷台に乗っているのと高級なソファに座るくらいの差があります。安定感、重量感が違いました」
今後も引退式に向けての調整は続けていくが、清水師が乗るのはこれが最後とのことだ。
キタサンブラックは7日の引退式のあとはいったん栗東トレセンに戻り、翌8日北海道へと旅立つ予定だ。
(取材・文:花岡貴子)