「人気馬に乗った時は、うまく見えるものだけどね。他のジョッキーからマークされるし、プレッシャーもきつい。難しさもあるんだよ」
こんなことを口にしたのは藤岡調教師。先週日曜の中京6R(4歳上500万下(牝)、ダ1800メートル)。1番人気に支持された藤田菜七子騎乗の
クルークハイトの勝利を振り返ってのことだ。
菜七子にとっては
JRAで2度目となる1番人気での勝利。5馬身差の圧勝が馬の能力を物語っているとはいえ、人気馬をきっちり勝たせた事実は、しっかり評価する必要がある。トレーナーも菜七子の騎乗に、以前にはなかったものを感じたという。
「前からスタートはうまかったけど、以前は追ってから、あまり馬を動かせていない感じだった。それが最近はしっかり追えるようになっている。それだけ彼女自身が成長しているんだろう」
栗東でこれまで一番、菜七子を乗せてきた田所調教師も追い方に関してはこう評価をする。
「男のジョッキーは腰を入れてグイッと動かす人が多いけど、彼女の場合は真っすぐ追ってくる。(武)ユタカの追い方を目標にしているような感じだな。以前よりも馬を動かせるようになってきたよ。スタートはもともとうまいんだし、これでより追えるようになってくれば、さらに成績も伸びるんじゃないかな」
前述
クルークハイトのウイナーズサークルでの写真撮影では、多くのファンが押し寄せたことで、馬がビックリしてしまい、撮影に苦労していたが、それだけ人を呼べるジョッキーでもあるということ。今週も土日中京で騎乗する菜七子。そのレースぶりにまた注目が集まりそうだ。
(栗東の坂路野郎・高岡功)
東京スポーツ