今週は全国的に大寒波で厳しい冷え込みとなっているが、もちろん栗東も例外ではない。24日が-2℃、25日が-3℃という調教開始前の気温だったが、25日は7時30分ごろに-4℃に気温が下がっており、とにかく寒いの一言に尽きる。
ただ、25日は大雪の予報があり、調教に影響を及ぼすと思われたが、それが回避できたことはなにより。25日午後からも雪の予報があるため、まだまだ油断はできないものの、今週末のレースに向けた最終追い切りに関しては無事行われている。
【坂路/4F51.9秒】
24日。一番時計は2回目のハローが終了した時間帯に追い切った
タガノアスワド(栗東・五十嵐忠男厩舎)の4F50.6秒。これ以外に4F50秒台は2頭いるし、4F51秒台の頭数も先週とあまり変わりない。
時計上位を見れば、さほど重たい馬場という印象はないが、追い切り自体を見ていると、見た目の動きほど数字が出ていないという馬がたくさんいた。ここは主観的な印象になってしまうが、馬自身の馬体や動きが影響しているというよりも、今のウッドチップ馬場が少し走りにくい状態になっているように思える。それだけに、ここで時計が出なかったからといって、単純に評価を下げるのはかなり危険かも知れない。
好走凡走判断のひとつの目安としては、時計が出にくい馬場になっているとしても、いつも変わらない強さの負荷をかけること。つまり、いつも馬なりで追い切っている馬が時計が出ない馬場だからといって一杯に追ってしまうとオーバーワークになる。逆にいつも一杯に追っているような馬なら、馬場が悪いからといって手控えてしまうと負荷が軽くなりすぎてしまうので、それも問題。いつもと同じような負荷で仕上げていれば、時計が遅い速いはあまり気にすることはないだろう。
25日。雪の予報もあり、追い切りは24日に済ませている厩舎が多く、通常の木曜日よりもかなり追い切り頭数が少ない。そんな中での一番時計は
シュウジ(栗東・
須貝尚介厩舎)の4F49.1秒。1回目のハローが終了した時間帯だったが、同じ須貝厩舎の追い切りで
ロワアブソリューが4F50.4秒といった数字をマークしており、決して時計が出ない馬場ではない。
先週18日の馬場差は「+0.6秒」。時計上位の数字を見れば、今週は決して時計を要する馬場とは判断できない。馬によって得手不得手はありそうだが、馬場状態としては、24日、25日ともに『+0.0秒』で馬場差を記録している。
【CW/5F66.5秒】
24日。朝一番から見た目以上に数字の速い追い切りが多数。その時計も速く、かなり時計の出やすい馬場だったという判断でよいだろう。
数字だけじゃないところで強調したいのが、
川崎記念(1月31日・川崎ダート2100m)の出走を予定している
アウォーディー(栗東・
松永幹夫厩舎)。最終追い切りは28日に予定しているので、この日は15-15程度の軽めの内容だったが、6F標識から徐々に加速していくラップを踏んでフィニッシュ。時計は6F86.2〜5F70.5〜4F55.5〜3F41.0〜1F13.4秒だったが、ゆったりした走りの中に力強さがあり、この時季が得意といった感じの雰囲気を感じさせてくれる。
25日。通常の木曜日なら、開門直前の入口は混雑するが、閑散とした感じ。雪が降れば、Cコースが閉鎖になる可能性が大きく、それを考慮して前日に追い切りを済ませている厩舎が多かったようだ。朝一番以降も追い切り頭数はかなり少なかった。
先週18日の馬場差は「-0.8秒」。今週の馬場状態も先週と変わりない。よって馬場差は先週と同じ『-0.8秒』で記録することにした。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場は追い切り頭数は少なかったものの、その走りを見ると少し走りにくそう。含水量も多かったので、今週の馬場差は24日、25日とも『±0.0秒』で記録している。
ポリトラック馬場の追い切り頭数は先週以上。時計はしっかり出ているが、坂路やCコースのウッドチップ馬場ではあまり動かない馬がこちらの馬場を使っている関係もあって、動き自体が素晴らしく目立つような馬は少ない。馬場差としては24日、25日とも先週と変わらず『-1.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・文:井内利彰)