栗東では2011年(美浦では前年の10年)から着用となったGI勝利馬専用の特別ゼッケン。普通のゼッケンとは違い、紫地に金の刺繍で、馬名とGI勝利分の星(地方交流戦は除く)が付くことから、着用は
ステータスにもなっている。
「勝って2週間後ぐらいかな。GI馬ゼッケンを初めてもらった時はうれしかったね。あれを着けて運動で歩かせると、周りもすぐ気付いてくれるし、GI勝ちをより実感させてくれた」
昨年のフェブラリーSで、トレセン入り39年目にして初めてGIを勝った
ゴールドドリームの木下キュウ務員の弁だ。
そんなGI馬専用ゼッケンの中でも“幻の一品”を拝見させていただいた。有終の美を飾った昨年暮れの
有馬記念を含む、「星7つ」を付けた
キタサンブラックのゼッケンだ(写真)。
有馬記念で現役生活に幕を閉じたのだから、製作されても、着用する機会はない。当然、製作予定もなかったのだが、清水久調教師の依頼により、特別に作られたものだという。
「今年も現役を続けていたら、これを着用していたわけですから。記念として作ってもらったんですが、星7つというのはなかなかすごいことですよね」(清水久調教師)
GI馬専用ゼッケンの着用が始まってから、(地方交流戦を除く)GIを7勝した馬といえば、
キタサンブラックのほかには
ジェンティルドンナしかいないが、当時は海外GI(14年
ドバイシーマクラシック)の勝ち鞍も星として勘定されなかったうえに、この馬もまた
有馬記念Vで引退したため、最高は星5つ。星7つの勲章を付けたゼッケンが製作されたのは、今回の
キタサンブラックが初めてのケースだ(実際に着用したわけではないが…)。
果たして、今後これだけの星を付ける馬が現れるのか…。ゼッケンにズラリと並んだ星の数を見ると、改めて
キタサンブラックの偉大さを実感できる。
(栗東の坂路野郎・高岡功)