今月末で定年を迎える小島太調教師。そのラストウィークには、16年の
AJCC(GII)や15年の
札幌記念(GII)など重賞4勝と長年活躍を続けた
ディサイファ(牡9・美浦・小島太)が、
中山記念(GII・中山芝1800m)に出走する。
引退の師に合わせるかのように、このレースでラストランを迎える
ディサイファについて、小島太調教師と
田中勝春騎手に話を聞いた。
■小島太調教師
「前走の
AJCC(4着)は、ここ最近のレースの中では良い走りをしてくれたと思います。2走前(
ジャパンC・GI・17着)あたりから状態は良くなってきていましたが、気分的なものなのか、レースで出し切っていないような感じでした。
この中間は意外とダメージが少なくて、すぐに坂路を上がりましたし、順調に調整することができました。今日(2/21)の坂路での追い切りは
田中勝春騎手が騎乗しましたが、調教駆けしない馬なのである程度気合いをつけて行ってくれという指示を出しました。
ジョッキーは調教もレースも初騎乗になるので感触を聞いたら『Aクラスです』と言っていました。コンディションに関しては自信を持って出走させられますね。
長い距離も使っていますが、1800から2000mがベストの距離だと思います。上昇を求めるのは酷ですが、気持ちも若いですし、肉体的にもずっと維持をしていますので、年齢はあまり考えないでいこうと思います。
昨年暮れから
中山記念は
ディサイファで狙っていて、たまたま僕の最後の週にピッタリこのレースがあって…。長い間
ディサイファとは一緒にいましたし、その馬がラストの週に走るということに対しては、馬に感謝したいです。
ディサイファはGIには手は届きませんでしたけど、ラストランで悔いの残らないように走ってほしいですし、素晴らしい走りを見せてくれると期待しています。ご声援よろしくお願いします」
■
田中勝春騎手
「今日はモタれず反応も良く、動きは良かったですね。年齢のわりには張りのある良い馬体です。小島先生の最後の重賞でプレッシャーは感じますが、最後の宝物に僕を乗せてくれて嬉しいです。
これまでレースで勝っても先生に褒めてもらったことはほとんどなくて、『俺だったらもっと楽に勝っていた』とよく言っていました。叱られてばかりでしたが、最後は褒めてもらえるような競馬をしたいですし、今回は行く馬がいて流れに乗りやすいのではないかと思っています」
(取材・文:佐々木祥恵)