桜花賞の王道
トライアルらしく、3歳牝馬のトップクラスが集結したGII
チューリップ賞(3月3日=阪神芝外1600メートル)。特に今年は昨年暮れの2歳女王決定戦・阪神JF1〜3着馬
ラッキーライラック、
リリーノーブル、
マウレアが揃い踏みだ。
この手の実績馬がエントリーし、実際にそれらA級馬が人気通りの結果を残すイメージが強いレースなのだが、一方で意外に賞金400万円の1勝馬が大健闘を見せるレースでもある。
過去10年で賞金400万円組が3着以内に食い込まなかった年は、実は2012年の1回だけ。それ以外の年は、毎年なんらかの馬が、
桜花賞への勝負駆けを成功させているのだ。
しかも、その平均人気は「7.2」というのだから、「1勝馬=好配当をもたらしてくれる使者」。有力馬の桜に向けての走りに注目が集まる一方で、馬券的には1勝馬のマークは怠れない。
「
エピセアローム(11年デビュー)をやっていたころは自分自身がまだ若かったから。なんとかクラシックへと意気込み過ぎてしまうところもあったけど、あれからいろいろ経験してきたからね。もちろん、細心の注意は払ってやっているが、今ではいい意味での緊張感もありながら、ある程度余裕を持って仕事ができている」
こう話してくれたのは“注目の1勝馬”
レッドランディーニを
チューリップ賞に出走させる石坂正キュウ舎の桑村助手だ。
桑村助手といえば、過去3度、
チューリップ賞に担当馬を送り込んでおり、前出
エピセアロームが12年に2着に好走しただけでなく、14年には今回のテーマでもある1勝馬の
リラヴァティで6番人気3着と、すでに勝負駆けを成功させた実績がある(ちなみにもう1頭は15年
タッチングスピーチの9着)。
そんな腕利きの桑村助手が、今年の
レッドランディーニを「カイバをしっかり食べるし、馬房も汚さない。稽古も含めて本当に手がかからない馬なんだよね。この年齢の牝馬にしてはすごく優秀」と高く評価しているのだ。
今年、実績馬に割って入る注目の1勝馬は、この
レッドランディーニ…坂路野郎の中ではすでに穴馬券の構想が固まりつつある。
(栗東の坂路野郎・高岡功)
東京スポーツ