「
金鯱賞・G2」(11日、中京)
凱旋門賞惨敗から5カ月半。いよいよ始動戦に臨む
サトノダイヤモンドだが、漂う不安を完全には拭えなかった。7日の最終追いの動きは及第点も、陣営は目に見えぬ精神的ダメージについて言及。本番の
大阪杯(4月1日・阪神)に向けてどんな走りを見せるのか、改めて注目を集めることになりそうだ。一方、
スワーヴリチャードは馬なりながらも上々の走りをアピール。V発進を見据えて意気揚々だ。
デモンストレーションにおいて、ある程度は“らしさ”を見せたと言うべきか。ルメールを背にした
サトノダイヤモンドは、栗東CWで
ベルーフ(6歳オープン)の2馬身後方をゆったりと追走。直線に向いて並び掛けると、軽やかに伸びて2馬身先着を果たした。タイムは6F84秒2-39秒3-11秒7。
久々に手綱を取ったルメールはホッとした表情をのぞかせた。「大丈夫そうですね。いい時計が出ました。いつも通りに跳びは大きかったし、直線も反応良く動いていました」。ただ、手放しで称賛、というほどでもない。
凱旋門賞15着以来となる始動戦への自信を問われると、「調教とレースは違います。“心”の部分がどうか…」と慎重な口ぶりに変わった。
2週前、先週と併走馬に先着を許した。特に物足りなかったのが先週。「ケイコで負けたことがない」と池江師が言う
サトノノブレスの後じんを拝してしまった。そして最終判断の場となった当週。パートナーには先着を果たしたものの、「上がり重点でしたから。しまいはしっかりと動いていましたけど、テンはゆっくりと入っているので」と師のトーンは微妙だ。
G1・2勝。ここに入れば実績は抜けている。ただ、フランスで受けた精神的なダメージは想像以上に大きいのか。「馬体は過去最高と思うぐらい。
菊花賞、
有馬記念の走りを取り戻すことができるか。今回で(復調への)手掛かりがつかめればいいんですが…」。快刀乱麻を断つ走りを見せるのか、はたまた懸念を残したまま本番を迎えるのか。ファンはギリギリまで取捨に頭を悩まされそうだ。
提供:デイリースポーツ