「中山牝馬S・G3」(10日、中山)
これが“私の花道”とばかり、大外枠からハナを主張した6番人気の
カワキタエンカが逃げ切った。
13頭を従え、2コーナー過ぎでは5馬身近いリードの一人旅。1000メートル通過は61秒3と前残りのペースを演出した。池添の手は直線に向くまでじっとしたまま。直線坂下で2度3度、左ステッキが入ると、二の脚を使って後続を突き放しにかかる。坂上で
フロンテアクイーンが迫ると、もうひと粘り。持ち味を生かし切り、重賞初Vのゴールを切った。
休み明けの前走は
テンションが高く、力を出し切れなかった。中間は気持ちを落ち着かせることに専念した。「まだ少し道中力むところがあったが、前回がガス抜きになり、イレ込みもましだった。それが今回に生きたと思う」と池添。久々の騎乗ながら、これで2戦2勝と相性の良さも誇示した。
浜田師にとっても、うれしい重賞初制覇。「前走でかみ合わなかったところを修正して臨めた。この馬にしては、久々にゆっくりした流れで走れたし、楽に(ハナへ)行けたのが良かった。騎手がうまく乗ってくれた」と笑顔がはじけた。
今春は
ヴィクトリアマイル(5月13日・東京)が大目標。「まずは自分との戦い。落ち着きが欲しい」と池添は注文を付けた上で、「これからの馬。一つ一つ上がって行って欲しい」と、さらなる伸びしろに期待した。
提供:デイリースポーツ