出走頭数の確保&競走内容の充実を図るため、今年から古馬GI競走において、11着以下の馬(格上挑戦を除く)に「特別出走奨励金」が交付されるようになった。
平たく言えば、たとえドンジリに敗れたとしても、出走さえすれば、お金がもらえるというわけだ。この奨励金だけを目当てに使ってくる馬が現実にどれだけいるのか…という問題はさておいて、気になったのはその交付額だ。
その金額には差がつけられており、天皇賞(春・秋)、
宝塚記念、
ジャパンC、
有馬記念といったGI中のGIには200万円、そのほかのGIは150万円となっており、今週の
大阪杯は200万円組に組み込まれている。つまり、歴史あるGIと同格にするほど、昨年からGIに昇格したこの
大阪杯を盛り上げたいという
JRAの意図が感じられる。
「ドバイに遠征する日本馬は計14頭だっけ?それだけ行くのもすごいけど、負けず劣らず
大阪杯もいいメンバーが揃ったよね。新興勢力にしても、
トリオンフなんて軽い芝だったら相当走りそうだし…。ドバイに負けないぐらい、盛り上がるんじゃないかな」と
スワーヴリチャードを出走させる庄野調教師。では、
大阪杯がGIではなかったら、
スワーヴリチャードはこの上半期、どこに目標を定めることになったのか…。
「う〜ん、もともと
天皇賞(春)は使わないと決めていたし、ドバイ遠征も帰ってきてから回復に時間がかかったり、いろいろ大変なことがあるようだからね。
大阪杯というGIができたのは、この馬にとってすごく大きなことだったのは確かだよね」
ただでさえ「
ドバイワールドカップデー」と日程的に重なる時期だというのに、
大阪杯がGIになったことで、
天皇賞(春)とメンバーが分散化し、両レースとも手薄になることが一部では懸念されていたが、これだけ多彩なメンバーが揃ったのだから、興行的には成功とみていいのだろう。
さて、坂路野郎の注目馬は、庄野調教師も警戒する目下3連勝中の
トリオンフ。「
小倉大賞典のころより、さらに馬が良くなっている」とは橋本助手で、新興勢力の一撃がありそうなムードだ。
(栗東の坂路野郎・高岡功)
東京スポーツ