今週の栗東は11日夜にかなりの雨量があり、12日の調教開始時には晴れという天気。ウッドチップはかなり重くなると思われたが、むしろ雨量が適当だったのか、前日に比べると時計が出やすくなっている。
気温に関しては、先週に比べると平年並み。12日に限っては前夜の雨の影響もあってか、モヤのような場面もあった。しかし、追い切りが全く見えなくなるほどのものではなく、さほど影響はなかった。
【坂路/4F51.9秒】
11日。ウッドチップ馬場が入れ替えられたことにより、騎乗者も「かなり深い」と時計を要する状況。一番時計は
キタサンサジン(栗東・
梅田智之厩舎)の4F50.6秒をマークしたものの、4F51秒台は6頭しかおらず、かなり時計のかかる馬場だった。
4F目のラップも11秒台はおらず、12.0秒も2頭だけ。4F目だけでなく、1F目から3F目も含め、11秒台のラップを踏んだ馬がいないという状況がチップ入れ替えによる時計の出方の変化だと考えてよいだろう。
そんな中、小気味よいフットワークで4F51.6秒をマークした
インディチャンプ(栗東・
音無秀孝厩舎)。併せた
サンライズノヴァが伸びあぐねるところをリズムあるピッチ走法で交わして先着。一杯に追われていたのは間違いないが、脚は止まっているというよりも、いつまでも長く脚を使えそうな感じ。重賞制覇へ向けて万全の状態といったところだろう。
12日。一番時計は
ロジクライ(栗東・
須貝尚介厩舎)の4F50.6秒。追い切り頭数を考えると、前日よりも速い時計が出ている印象。深かったウッドチップに水分が含まれたことで、馬場が締まって走りやすくなったと思われる。
先週の馬場差は「-0.4秒」。11日に関しては、明らかに先週より時計を要する馬場。よって馬場差は『+0.6秒』で記録している。12日は雨の影響で走りやすい馬場。よって『+0.1秒』で記録している。
【CW/5F66.0秒】
11日。馬場状態としてはこれまでとあまり変わりない印象。ただし、先週はかなり時計が出る馬場だったので、それに比べると少しは時計を要しているかなといった微妙な変化がある。
そんな中、先週よりも今週の動きが良化していた
ブラックムーン(栗東・西浦勝一厩舎)。
カズグレゴリオを追走する内容だったが、最後はきっちり捕まえてなんとか先着に持ち込む動き。時計も6F81.4-5F65.8-4F50.5-3F36.8-1F12.3秒と速い数字をマークでした。先週のひと追いからかなり上昇しており、これなら来週出走予定の
マイラーズC(4月22日・京都芝1600m)もいい状態で迎えることができそうだ。
12日。雨は時計が出やすい方へ影響。実際の数字もそうだが、走っている各馬のキック
バックを見ていると、ウッドチップはあまり跳ね上がっておらず、かなり締まりがある感じ。これが時計の出やすい要因だろう。
走りやすい、時計が出やすい馬場だったとはいえ、かなりスピード感で一番時計をマークしたのが
ガリバルディ(栗東・
藤原英昭厩舎)。
マイラーズCを
和田竜二騎手で予定しているが、その鞍上が跨っての単走。向正面から軽快なラップを踏んでいき、そのスピードは衰えない。ラスト1Fはさすがに脚が止まっていたが、時計は6F75.8-5F63.4-4F50.9-3F38.2-1F13.0秒とむちゃくちゃ速い。近走の成績が冴えないだけに、このひと追いが刺激になれば。
先週の馬場差は「-1.2秒」。これに比べると11日は少しだけ時計を要する馬場。よって馬場差は『-0.8秒』で記録。そして12日は前日よりも明らかに時計が出る馬場。先週と比較しても速い時計が出ているので『-1.5秒』で馬場差を記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場は11日、12日ともに追い切りあり。12日は雨の影響を心配したが、芝生の塊が飛ぶようなことはなく、前日とさほど馬場差を変える必要はなさそう。よって、今週の馬場差は11日、12日とも『±0.0秒』で記録している。
ポリトラック馬場の追い切り頭数は先週とあまり変わっていない。ただ、馬場状態に関しては、ポリトラックの塊が飛ぶようなシーンが目立ち、硬い状態からかなり柔らかくなっている。これにより、少し時計も要するようになっているので、今週の馬場差は11日、12日とも『-0.5秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・文:井内利彰)