「
皐月賞・G1」(15日、中山)
偉大な血が大一番で騒いだ。7番人気の
エポカドーロが鮮やかに1冠を奪取。11年覇者である
オルフェーヴルとの父子制覇を決めた。鞍上の戸崎圭は通算28回目の挑戦でクラシック初V。2着は9番人気の
サンリヴァルで、3着は8番人気の
ジェネラーレウーノ。1番人気
ワグネリアンが7着、2番人気
ステルヴィオが4着に敗れるなど、人気馬が総崩れとなった。
混戦ムードを断ち切ったのは7番人気の伏兵だった。雨上がりのターフで力強いフットワークを繰り出し、
エポカドーロが栄えある1冠を奪取。「G1というのは格別。クラシックを初めて獲れたことをうれしく思います」。通算28回目の挑戦で初のクラシック制覇をかなえた戸崎圭が喜びをかみしめた。
3頭がハナを争った1000メートル通過は59秒2のハイペース。「いい展開になったと思った。リズムと手応えを感じながら行けました」。描いた通りの流れに乗り、前と離れた第2グループの先頭を駆けると、余裕の手応えで直線へ。最後は後続の追撃を振り切り、2馬身差の完勝。「馬は余裕があったかもしれないけど、僕はいっぱいいっぱいで」と笑顔で振り返った。
決戦前日から、中山競馬場で鞍上と入念な打ち合わせを行っていた藤原英師も白い歯がこぼれる。「色んな選択肢を考えていた。戸崎も頭がグシャグシャになったんと違うかな。そのうちの一つがはまった。爽快な勝利」と満足げだ。
偉大な父に続いた。父
オルフェーヴルは11年の覇者。その初年度産駒によるクラシック勝利に「だてに三冠を獲っていない。爆発力があって大物を出す」と師はうなずく。とはいえ、
母ダイワパッションは短距離馬。「胴も詰まっていて、どこに適性があるのかを見分けるのが大変だった」と当初は路線に悩んだことを明かしたが、文句なしのV劇に「この勝ち方は今後が楽しみになる」と期待は膨らむばかりだ。
次戦はもちろんダービー(5月27日・東京)。「ポテンシャルをどう生かすか。やりがいがある」。リーディング首位独走の指揮官にとっては腕の見せどころだろう。鞍上も「胸を張って行きたい」と意欲をのぞかせる。人気馬総崩れとなった第1冠。府中の祭典は真価が問われる舞台となりそうだ。
提供:デイリースポーツ