ホッカイドウ競馬といえば、注目はやはり2歳戦だ。シーズン開幕を目前に控え、
門別競馬場では2歳馬の「競走能力・検査」がほぼ毎週行われており、4月12日現在で195頭の2歳馬が合格。デビューに向けて急ピッチで調教が進められている。
JRA認定競走を
ステップに、今年も
函館2歳Sや
札幌2歳Sなど、
ビッグタイトルを狙う若駒たちが出てくることだろう。今年の2歳戦は開幕初日(4月18日)の「
JRA認定・スーパーフレッシュチャレンジ競走」(1200m)からスタート。見逃せないレースが続く。
新馬戦の予想を立てるうえで重要なのは能検の内容だが、走破時計だけで判断するのはちょっと危険。能検はあくまでも合格することが目的であり、直線でビッシリと追っている馬とまったく追わずにゴールした馬とでは、たとえ同タイムでも同じ評価はしづらい。また、受験日の馬場状態も要注意。これはレースにおいても同じだが、良馬場の場合、砂の負荷がかかるため時計は出にくく、重や不良馬場の場合は極端に時計が速くなる場合がある。気になる馬がいた場合は、ホッカイドウ競馬のHP上にある能検動画で脚さばきやフォーム、騎手の動作をチェックすることをおすすめしたい。
今年のホッカイドウ競馬において注目厩舎はずばり、リーディングツートップの
角川秀樹厩舎と
田中淳司厩舎。2人はともに「門別は1年間で8ヵ月しか競馬がないのだから、最初からエンジン全開」がモットー。今年も開幕に向けてスタッフ一丸で仕上げてきている。騎乗スタッフが揃っているからこそ集団調教も可能で、心身をしっかりと鍛えられた馬たちがスタンバイ。人気の時はもちろん、たとえ低人気でも押さえておいて損はない。
また、シーズン序盤の2歳戦は1000m〜1200mが主体となる。これは古馬戦の場合にもいえることだが、短距離戦においてはとくにポジションが取りやすい内枠の方が有利といわれる。とくに門別1000mはスタートしてすぐに3コーナーを迎えるため、狙うなら内枠の先行馬がベター。ただし、新馬戦の場合、最内枠は物見をしやすく、出遅れや落馬といったアク
シデントも少なくない。繊細な馬が最内枠に入った場合は、当日の落ち着き具合を確認しておきたいところだ。
この春、リーディング厩舎からデビューする
落合玄太騎手(20歳、
田中淳司厩舎)は、関係者の間で騎手試験に合格する前から「あの子は乗れる」という声が聞かれた若手の有望株。自厩舎だけではなく、角川厩舎の調教にも参加しており、シーズン序盤から多くの騎乗依頼を受けることになりそうだ。本人も「(新人特典の)3キロ減を生かして積極的な競馬をしたい。ホッカイドウ競馬における新人勝利数記録を更新するのが目標です」とやる気まんまん。開幕初日から騎乗を予定しており、馬券的にも狙い目がありそうだ。
ホッカイドウ競馬は4月18日に開幕。シーズン最終日の11月8日まで80日間の全日程をナイター競馬でお届けする。(取材・文=山田綾子)