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【天皇賞・春】ガンコ陣営「マイペース。冷静で賢いです」/ねぇさんのトレセン密着

  • 2018年04月23日(月) 16時20分
 噛み合わない時はずっと結果が出なかったのに、あるときガッチリ歯車が噛み合ったらそこから一気にあらゆることが変わっていく...。

 一旦は障害への転向のプランも決まり、障害馬になるための練習も積んでいたガンコにとっては、江坂特別での好走こそが『噛み合った瞬間』だったそうです。

「障害を視野に入れて芝の長距離戦に行ってみようという話になって、昨年暮れの江坂特別に出走しました。すると、勝負どころで抜け出したら後続を寄せつけない強い競馬をみせてくれました。障害練習でトモが鍛えられたこと、もともと芝に適性があったこと、そしてちょうどその時期に体調もいい感じになってきたことなど、すべてが噛み合ってきたんです」(担当の中村助手)

 ガンコはもともと無駄なことをしないタイプ。厩舎でもいつもマイペースです。

「レースも普段もいたってマイペース。無駄に力んだりしないし、周囲に左右されません。冷静で賢いです」

 振り返ると、障害レースで鍛えられたのはトモだけではなく、メンタル面での効果も大きかったそうです。

「障害は目の前の障害という目標に向かっていくじゃないですか。そういった作業もこの馬には合っていたようです。あの障害練習で競馬への前向きさが出ました」

 いったんは障害界に身を置いたけれど、そのあと平地競走へ戻り、さらにGIを制した馬といえばメジロパーマーを思い出します。彼も前で自分のペースをつくってレースをすすめる馬でした。主戦を務めた山田泰誠騎手(当時)は「メジロパーマーは気難しいので気分よく行かせつつ、道中はスローペースに落とす」という戦法でレースに挑んでいました。

 馬の走る気持ちって大事ですね。逃げのメジロパーマー、番手からレースを進めるガンコ、と多少の位置取りに違いはあれど自分で動いて展開をつくるという点で通じるものがあります。パーマーにはずいぶんとアッと驚かされたものです。そして、今週末は…ガンコが皆さんをアッと言わせる!?

(取材・文:花岡貴子)

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