「クイーンエリザベス2世C・香港G1」(29日、シャティン)
まさかのハプニングだ。日の丸を背に大一番に挑む
アルアインが26日、ごねて調教を拒否するアク
シデント。急きょ
インターバル調教に変更するなどし、ドタバタの中で何とか最終リハを終えた。一方の
ダンビュライトは、芝コースでスムーズな走りを披露。軽快なフットワークで駆け抜けた。
思わぬトラブル発生だ。芝コースで最終追い切りに臨むはずだった
アルアインが動こうとしない。スタート地点で立ち往生したかと思うと、鞍上を振り落とし、あわや放馬寸前のシーンも…。やむを得ず、調教プランの変更を余儀なくされた。
まずは乗り手を追い切り担当から持ち乗りの音瀬助手に交代。オールウェザーへ移動して気分転換を図り、再び芝へ。4角からゴール過ぎまでダクで進むと方向転換。直線を逆走しながら速めのキャンターで駆け抜けた。その10分後、同じ方法で1回目よりも速い4F54秒8-2F28秒2を記録。結果、直線2本の
インターバル調教で締めくくった。
想定外の出来事に、池江師は「集団調教をしており、これまで単走で追ったことがなかった。こんなことは初めてだね」とした上で、「このクラスの馬になると、騎乗者を見て、きつい調教になると分かってしまう。
メジロマックイーンがそうだった。(主戦だった)
武豊に反応し、坂路で止まってしまったことがあった」と名馬の在りし日を振り返りつつ、鞍上変更の意図を説明した。
逆走させたことについては、「馬には帰巣本能があるので、自分の厩舎がある方へ向かって走らせました」と話した。さすがは日本が誇るトップトレーナー。過去の経験を生かして柔軟に対応し、最悪の事態は免れた。「スピード、距離としては十分な調教ができた」とうなずいた。
負荷は十分にかけられた。とはいえ、精神面の若さを露呈したのも確か。これが実戦にどう影響を及ぼすのか、気になるところではある。
提供:デイリースポーツ