「クイーンエリザベス2世C・香港G1」(29日、シャティン)
シャティン競馬場の厩舎と馬場を
マウンテンバイクでせわしなく行き来する男がいる。クイーンエリザベス2世Cに
タイムワープ、
パキスタンスター、
ゴールドマウントの3頭を出走させる香港の名将・
クルーズ師だ。
調教に向かう所属馬の雰囲気を角馬場でチェックし、すぐさま馬場へ移動。追い切りが終わると角馬場に戻り、引き揚げる姿を自分の目で確認する。61歳とは思えないアグレッシブな行動。ここに名将と呼ばれるゆえんがあるのかもしれない。
日本でも05年
スプリンターズS(
サイレントウィットネス)、06年
安田記念(
ブリッシュラック)のG1・2勝を挙げる名伯楽は、マスコミをはぐらかすように「3頭ともいいよ」と軽く受け流しつつも、やはり
ネオリアリズム(3着)など、日本馬3頭を蹴散らし、昨年末の
香港Cを制した
タイムワープへの期待が大きいようだ。
香港Cを含め、同舞台のG1・2勝が逃げ切り勝ち。前走では逃げられず10着に崩れているだけに、その戦法に注目が集まる。トレーナーは「前走はマイルでペースが速かったが、今回は距離が違う。いつも通りの競馬をするだけで、いまさら戦法を変えるつもりはないよ」と改めて“逃げ宣言”を放った。
前々走のG1・
香港ゴールドCは1分59秒9のレコードタイムで逃走V。シャティン芝2000メートルで、初めて2分の壁を破った快速馬が、今回も日本馬の前に立ちはだかる。
提供:デイリースポーツ