引退した競走馬の命を守り、医療や教育などのセカンドキャリア支援活動が評価され、角居勝彦調教師(一般財団法人ホース
コミュニティ代表理事)が「2017年度シチズン・オブ・ザ・イヤー」を受賞。記念の祝賀会が、4月30日(祝月)に京都市内のホテルで行われ、競馬関係者や引退馬支援の関係者、引退馬ファンクラブ・TCCの会員など多くの方が訪れた。
「シチズン・オブ・ザ・イヤー」は、日本人および日本に在住する外国人の中から、市民社会に感動を与えた、あるいは市民社会の発展や幸せ・魅力作りに貢献した市民(個人もしくは団体)を1年単位で選び、顕彰する制度。市民主役の時代といわれる中にあって、広い視野から市民を顕彰する賞がほとんど見られなかったことから、社名に“CITIZEN(市民)”を掲げるシチズン時計が1990年に創設した。
角居調教師の受賞の理由について、選考委員会委員長の山根基世氏は(元NHK
アナウンス室長)は、
「引退馬の幸せなセカンドキャリアを実現する具体的な仕組みを作ったことが素晴らしい。競馬の世界では殺処分はやむを得ないと受け止められている中で、馬たちを何とか救いたいと競馬業界の第一人者が一歩踏み出した行動力に感動する。角居さんの命に対する繊細な感性。今の時代、これこそ私たちが共有しなければならない大切なものではないか」とコメントしている。
祝賀会では新潟馬主協会会長の飯塚知一氏、
JRA馬事担当理事の木村一人氏、日本調教師会会長の橋田満調教師らが祝辞を述べ、ホース
コミュニティの評議員でもある
福永祐一騎手が花束を贈呈した。
福永騎手は「引退競走馬の余生のあり方に関してこれだけ活動が大きくなっていったのは、先生の活動があってのこと。調教師として一流の方で、そういった立場の方がされたということが大きかったと思いますし、それだけに難しさもあったと思いますが、継続してされてきたことを心から尊敬しています。もっと支援の輪が広がるような活動を僕自身もしていけたらと思っています」とコメント。
多くの方からの祝福を受けた角居調教師は、「このような素晴らしい賞を受賞させていただきましてありがとうございます。私が引退馬のセカンドキャリアに関心を持ち始めてからまだ10年も経っていないので、私が賞をいただくのは場違いかなと思っているのですが、皆さんのご協力の下でこのような賞をいただけたと思っていますので、馬のために活動のがんばりを続けていきたいと思っています」と、さらなる活動への決意を語った。
引退馬ファンクラブTCC FANS