クイーンC(GIII)に優勝後は
桜花賞(GI)には向かわず、牡馬相手の
NHKマイルC(GI・東京芝1600m)を選択した
テトラドラクマ(牝3・美浦・
小西一男)が、坂路コースで
田辺裕信騎手を背に、最終追い切りを消化した。田辺騎手と管理する小西調教師が共同記者会見に臨んだ。
■田辺騎手
(坂路での今朝の追い切りについて)
「調教はすごい動く気がいい馬なので、行き過ぎないように動き過ぎないようにというのを考えました。元々調教は動きますし、馬の力みも少なくてうまくいったのではないかなと思います」
(前走の
クイーンCから間隔をあけて今回に向けて状態はいい?)
「そうですね、前走時よりわりと早めに入厩して、厩舎でも結構乗り込めましたので良いと思います」
(前走を振り返って)
「初めて騎乗したのですが、デビューの時から競馬を見ていて走る馬だなとは思っていたので、勝ちたいなと。その頃はGIのことは全然頭にはなかったのですけど、自分で重賞に勝てればなというのはあったので良かったです」
(本番に向けては?)
「このコースで勝ちましたし、特に不安はないですね」
(この馬にとってどのようなレースが良さそう?)
「わりとスタートが速い馬で、この前も速いスタートから速いラップを刻みながら勝ち切ってくれました。それはこの馬にとってすごい武器だと思うので、自分の競馬に徹するという感じですね」
(前走後にセンスの良さ、頑張り屋さんという誉め言葉があったが、その良い部分が今回も生きそう?)
「それはそうだと思いますね。調教に乗っていても走っている時以外は大人しいですし、余計なところで力を使わなければ走れる能力はあると思うので楽しみですね」
(牡馬を含めて並みいる強豪もいるが、その中でも力を出せそう?)
「強い馬が他にもいるというのはもちろんわかっていますけど、自分の馬の競馬をして、力を出し切って、どれだけやれるかだと思います。可能性ももちろんあると思います」
(前走は前に行ったが今回は?)
「自分で出して行って逃げたわけではなくて、馬自身スタートが良くて行けたので、それはプラスなことだと思います。途中から引っ掛かって絡んでくる馬がいてわりとペースが速くなったのですが、その中でもそこまで力まず走れたので終い踏ん張れたのではないかと思いますし、スタートが速いというのはすごい武器だと思います」
(レースへの意気込みを)
「長らく小西厩舎所属でいさせてもらっていたのですが、やっとGIに初めて…そういう私情を挟んではいけないのですけど。前回も重賞を取りたいなというのもありましたし、大きいところを目指して、この馬にはもう少し頑張ってもらいたいです」
(小西調教師とはそういう話をする?)
「いや、しないですね(笑)。助手と話をすると、(先生は)緊張しているぞと。(先生は)気合い入って、イレ込むタイプなんです(笑)」
■小西調教師
(今朝の追い切りについて)
「今日は併せ馬でジョッキーを乗せてやったのですが、予定通りの時計、動きをしてくれました」
(ジョッキーを騎乗させての2頭併せの追い切りの狙いは?)
「前走を使ってから十分な休養を取って、入厩してからも
リラックスして来ています。先週もジョッキーを乗せたのですが、馬場が悪くて終い重点だけの調教になって気持ち遅かったというのと、馬ものんびりしていることもあって、(今朝は)併せ馬をして気を乗せようかなという感じでやりました」
(前走からあえて間隔をあけた?)
「そうですね、ちょっと疲れがあったので
桜花賞を回避しましたが、1600mの良いレース(
NHKマイルC)がありましたし、その分じっくりと調整ができました。入厩してからも疲れが取れたせいもあって、馬もすごく
リラックスしていますね」
(あとはいい形で送り出せる?)
「元々、
テンションの上がりやすい牝馬ですから、
リラックスしているというのはいいことだなと思います」
(本番に向けても体重の大きな変動もなく?)
「先週の時点で468キロで、前走が462キロなので、その前後くらいでまた出られるかなと思います」
(2か月半前の前走の
クイーンCは会心の勝利で?)
「そうですね。自分でほとんどラップを刻んで出した時計ですからね。今度は馬場状態も相手も違うので、同じパフォーマンスができるかわからないですけど、良いレースはできるのではないかと思います」
(相手関係は違うが、前走を物差しにするとかなり期待が持てるのでは?)
「今言ったように、馬場状態もあの頃とは違いますし、強い馬も牡馬も出てくるので、自分のペースで走れるのかというのもありますし、時計ももう少し詰めないと厳しいと思います。32秒台くらいの決着になるのではないですかね。そのためにはもうワンランク上のパフォーマンスが必要かなと思っています」
(展開面では?)
「レースは生き物ですから、展開はジョッキーと馬との兼ね合いというか感覚になると思うのですけど、位置取りはジョッキーの感覚で乗ってくれればいいと思っています」
(手綱を取る弟子の田辺騎手への期待度は?)
「ここに来てリーディングを争えるようなジョッキーになってくれましたし、
クイーンCで初めて重賞を田辺で勝ちましたので、その勢いで行ってくれればなと思っていますけど」
(田辺騎手も小西厩舎でのGIチャレンジは初めてだと言っていたが?)
「そうですね、ウチが元々そういうレースには使ってはいないですし、GIは久々になりますので、田辺で行けるのは嬉しいですね」
(田辺騎手が「小西先生がいつになく気合いが入っているようだ」と話をしていたが?)
「気合いというか、どんな馬でもそうですけどもね。レースに出すにあたっては細心の注意といいますか、万全の状態で出すという気持ちではいつもと変わらないです」
(厩舎にとっても悲願のかかる一戦だが?)
「なかなかこういう馬は当たらないので、このチャンスを生かせればなと思います。まだレースまで何日かありますし、当日、万全の状態で送り出すというのが最大の仕事だと思っています」
(ファンへのメッセージを)
「強い男馬もいますけど、ここ最近牝馬も頑張っていますので、それにあやかって同じように頑張ってくれればと思っています。応援して頂ければ幸いです。よろしくお願い致します」
(取材・文:佐々木祥恵)