6日の
中央競馬NHKマイルカップで、道中は後方2番手からレースを進め、直線一気の末脚で他馬をごぼう抜きして初重賞制覇がGIとなった
ケイアイノーテック。6番人気からの鮮やかな差し切り勝ちに、新冠町高江の隆栄(たかえ)牧場の飛渡(とびわたり)隆社長(66)は、「届かないかなと思っていたのでびっくりした」と生産馬の激走に驚いていた。
同牧場は約70年前に創業し、飛渡さんは4代目。過去に昭和49年の
桜花賞を優勝した
タカエノカオリ、57年の朝日杯3歳Sを優勝した
ニシノスキーを生産しているが、飛渡さんの代でのGI級の優勝は今回が初めて。
飛渡さんを含めてスタッフ3人で繁殖牝馬12頭や育成馬10数頭を管理している。
この日、出産間近の馬がいることから飛渡さんは自宅のテレビでレースを観戦。「人気はあまりなかったし、気楽に見ていられた」と臨んだが、最後の直線では家族で「頑張れ!」と大声で応援し、先頭でゴールするとハイタッチで喜びを分かち合った。
ケイアイノーテックの
母ケイアイガーベラも同牧場の生産馬でダート重賞2勝を挙げている。その馬に6年連続リーディングサイアーの
ディープインパクトを配合して生まれた
ケイアイノーテックは牧場一番の期待馬だった。
「ディープの子どもということもあって期待していたし、プレッシャーもあった。牧場時代は母親に似て賢く、扱いやすい性格で手の掛からない馬だった」と振り返る。
新冠産馬の
中央競馬GI優勝は、平成27年の
有馬記念を制した
ゴールドアクター以来。
レース後には、鳴海修司町長や町内の牧場関係者がお祝いに駆け付け、バンザイで勝利を祝った。
鳴海町長にとっては昨年5月の就任以来初のGI優勝で「GIを勝ってくれてとてもうれしい。個人経営の牧場から活躍馬が出ることは、日高管内全体の牧場の励みにもなる」とたたえ、飛渡さんは「今後も無事に走ってもらえたら」と話していた。
日高報知新聞社