まだあどけなさの残るルーキーの笑顔がはじける。今年3月にデビューし、4勝を挙げる山田敬士騎手(20)=美浦・小桧山。10番人気の伏兵
キングクリチャンで制した先週3日の
由比ヶ浜特別は格別の勝利だった。2度目の騎乗で決めた同期一番乗りとなる特別レースVに「ゴールした後は“やった!”というより“うれしい!”という気持ちでした」と喜びを爆発させる。
レースの2日前には管理する高市厩舎へ出向き、指揮官と作戦を練ったという。「久々に先生と会って感激しました。競馬学校時代から、最もお世話になった方ですから」。デビュー前から木馬を使ったマンツーマン指導など、一人前になるためのサポートをしてくれた高市師への“恩返しV”をかみしめる。
今の目標は女手ひとつで兄弟3人を育て、ジョッキーになる夢を応援してくれた母への孝行だ。「まだ母の目の前で勝ったことがありません。先週も2日は応援に来てくれたんですけど…。所属厩舎の馬で勝ち、母と小桧山先生で一緒に口取りに入ることが今の目標です!」と目を輝かせた山田クン。実現の日はそう遠くないはずだ。(デイリースポーツ・刀根善郎)
提供:デイリースポーツ