「魁!海外馬券塾」(6日)
英ダービーの舞台である
エプソム競馬場の芝2410メートルは、最初の1000メートルで高低差約45メートルを駆け上がり、その後はゴール手前までずっと下り坂が続いて、最後の100メートルに再び急な上りが待つ。始めに馬の体力をそぎ、勝負どころの下りでオーバーペースにさせた後、再び急坂を登らせるという、徹底的に馬を消耗させる造りになっている。こんなコースで日本産馬が本当に勝てるのだろうか?というのが前日の正直な印象だった。
英ダービーのパドックに現れた
サクソンウォリアーは大柄で背が高く、知らなければとても
ディープインパクト産駒とは分からない。
パワーに満ちあふれた馬体だが、
テンションが高く、時々小走りになっていた。
それでも、単勝2倍を切ったまま発走を迎えた
サクソンウォリアー。しかし、スタートでつまずき、道中は他馬の厳しいマークを受ける展開。4着の結果は残念だが、大敗にならなかったのは力のある証拠だ。イレ込みが敗因か?いや、勝ち馬のマサーはもっとひどく発汗していた。
マサーは3月にドバイでUAEダービーの前哨戦に出走して大敗すると、目標を切り替えて帰国3戦目で栄冠をつかんだ。数カ月前までは、陣営がダート路線を考えていた馬が英ダービーを勝つのだから、競馬はやはり難しい。(海外遠征コーディネーター・田中敬太)
提供:デイリースポーツ