JRAは12日、平成30年度の顕彰馬に
ロードカナロア(牡10歳)が選出されたと発表した。記者投票で156票を集め、選定基準となる投票者190人の4分の3以上(143票)をクリア。平成27年度から選定の対象となった同馬は過去3年の得票率は61%、63%、73%で、17年度はあと4票及ばず、選出されなかった。顕彰馬の選出は28年度の
ジェンティルドンナに続き、33頭目となった。
2012、13年のス
プリント界を席巻した“世界の
ロードカナロア”が、選定対象となってから4年目にしてついに基準をクリア。17年はわずか4票及ばず涙をのんだが、種牡馬としての価値を高めたことが得票率アップにつながり、156票を獲得して顕彰馬に選ばれた。
10年12月の小倉で栗東・安田隆行厩舎からデビュー(新馬戦1着)。11年
京阪杯で重賞初Vを決めると、12年の
スプリンターズSでG1初制覇。同年暮れの
香港スプリント・香港G1で連勝を飾ると、13年春には
高松宮記念、
安田記念の“2階級制覇”を決めた。秋には
スプリンターズS、
香港スプリント連覇で有終を飾り、19戦13勝(うちG1・6勝を含む、重賞9勝)の戦績で引退。12、13年にはJRA
最優秀短距離馬に選出され、2013年には
年度代表馬の座に就いている。
引退後は種牡馬入り。17年夏にデビューした初年度産駒がいきなり活躍し、
アーモンドアイが
桜花賞、
オークスを制して18年の牝馬2冠となり、牡馬ではス
プリングSを制した
ステルヴィオがクラシック戦線を沸かした。
現役時代に管理していた安田隆師は「とても名誉なことで大変光栄に存じます。調教師生活を通してオーナーからご信頼をいただき、厩舎スタッフが一つの目標に向かっていった結果、このような成績を残せたものと考えています」と選出を喜んだ。
トレーナーにとって印象深いのは
香港スプリントの連覇だという。「日本馬にとって
凱旋門賞を勝つよりも難しいと言われていたレースで、(現地で)表記された馬名“龍王”に恥じない圧倒的な強さを見せてくれました」。層の厚い香港の強豪ス
プリンターを蹴散らしての連覇を誇らしげに振り返り、「種牡馬になってからもG1勝ち馬を出していますし、これからも元気で活躍してくれることを願っています」と、父としてのさらなる活躍にも期待を寄せた。
提供:デイリースポーツ