2歳馬の姿を追うのはとても新鮮です。完成度の高い馬もいれば、これからどんどん変わっていきそうな馬もいます。成長するタイミングにもその馬の個性がよく表れているように思います。
今回取り上げる友道厩舎の2頭はともに期待度はとても高いのですが、成長の度合いは全然違います。
前者の代表ともいえそうなのは、先日千葉セリで落札された
カウガールズドントクライの16。7月入厩予定とのことですが、千葉セリで見せた完成度の高い走りに魅せられて思わず調整しているグリーンウッドまで見に行ってしまいました。
トレーニングセールで売買される馬の完成度の高さは言わずもがなですが、それにしてもこの馬は凄い。前日の降雨でダートが締まっていたとはいえ、千葉セリで上がり2ハロン23秒5-11秒2を叩き出した姿は圧巻!この日の最速の時計でしたね。併せ馬だったのですが、最後は1頭で完全に抜け出してしまっていてちょっとふらふら。走りを修正しながらこの時計を出している点も見逃せません。
セリの様子はネット配信で拝見していましたが、お台の1000万円からアッという間にこのセリの最高価格の値がついたのも納得です。
実際に見てみると、セリでは結構うるさそうな感じがしましたが、牧場ではお行儀よかったです。栗毛が
ピカピカに光り筋肉隆々。
管理する友道師は「
ダイワメジャーらしい筋肉質。気性は大人しくはないけれどそれが走るほうに向いてくれれば。マイルあたりでデビューさせたいね」と話していました。
現在滞在中のグリーンウッドで調教を管理する社台
ファームの伊勢主任によれば「ゲートも上手ですし、気性も前向き」とのこと。いかにも即戦力!という感じで入厩が待ち遠しいです。
一方、後者の印象が強いのは
ヴィルシーナの初仔・
ブラヴァス。来週7月8日中京芝2000mでデビュー予定で追い切りを重ねているところですが、調教を積むたびに走り方が変わってきているんです。
「馬の走り方は無理に人間が教えても身につかないもの。馬自身が編み出していくものですから、今はその変化を受け止めながら調教を重ねています」と担当の安田助手。
そういえば
ワグネリアンも調教を重ねていくうちに走りが変わってきましたよね。しかも、変わってきたのは今年に入ってからのことでした。体の成長など、さまざまな変化を基に馬自身が走りを完成させていくのでしょう。
そして、近いうちに「デビュー戦でコンビを組む
武豊騎手も調教で騎乗する予定」(友道師)とのこと。ジョッキーがまたがると、また違う走りを見せてくれるのではないか、と思います。
(取材・文:花岡貴子)