GIII
ラジオNIKKEI賞ウイークを迎えると、決まって「この時期の3歳同士の重賞にハンデ戦が必要なのか?」という声が聞こえてくる。
昨年、57キロのトップハンデを背負った
サトノクロニクルが6着に敗れた時も、鞍上の川田がハンデに苦言を呈したのをご記憶の方もいるのではないか。
ハンデ戦になった2006年以降、トップハンデの勝利は15年の
アンビシャス(56.5キロ)だけ。やはり参考資料の少ない、この時期の3歳世代の一戦は、ハンデのサジ加減が相当、難しいとせざるを得ない。
一方で、ハンデ戦ではなくても、3歳同士なのに他馬より余計に斤量を課せられるケースがある。重賞Vなどで他馬より賞金を稼いでいる馬が、別定重量のオープン競走に出てきた場合だ。
昨夏にGIII小倉2歳Sを勝ち、早くから賞金を稼いでいた
アサクサゲンキはここ2走、57キロでの出走を余儀なくされた。通常の牡馬=56キロと比較してたったの1キロ増にすぎない?
いやいや、同世代での戦いではこの1キロが意外に響くのだ。
「少なからず斤量はこたえたと思いますよ。それを考えれば、前走
葵S(0秒2差 5着)はよく頑張ったと思います。もともとゲート内であまりおとなしい馬じゃないのに、待たされたのもあってスタートのタイミングが合わずに後ろから。
京都の内回りでああなると、さすがに厳しい。でも、あれだけの脚(上がりはメンバー最速の33秒1)を使ってくれましたから」(担当の橋本真助手)
しかも、当時はGIII
ファルコンS(0秒2差 2着)後に放牧を挟んでの出走。帰キュウ後は調子が思うように上がらずに「もう1〜2本追い切りが欲しいと思っていた」くらいの良化途上のデキだったという。それでいて、あの末脚を使ったというのだから、ス
プリント能力は3歳世代の中でも最上位としていいだろう。
対する今回のGIII・
CBC賞(7月1日=中京芝1200メートル)に向けての調整過程はどうなのか。
「前回に比べると全然いいですよ。攻め馬の動きがまるで違う。結果的に前走で(出遅れたことで)しまいあれだけの脚を使えるのも分かりましたし、今度の舞台が直線の長い中京ということを思えば、次につながるレースにもなったと思います」(橋本真助手)
ここ2走は余計に斤量を背負わされてきたが、古馬相手となる今回は逆に斤量の恩恵を得られる側になる。
「一発を狙っています」という橋本真助手の力強い言葉に乗って、坂路野郎も
アサクサゲンキから勝負をかけてみるつもりだ。
(栗東の坂路野郎・高岡功)
東京スポーツ