かつて
七夕賞は「荒れる重賞」として名高く、1番人気がなかなか勝てないことが話題になったこともある。しかし、サマー2000シリーズの初戦に位置づけられてから出走馬のレベルが向上。さらには2013年の番組改正で、施行時期が最終週から2週目に繰り上げられたことの影響もあって、一頃とはレースの性質が大きく変わっている。
1.「荒れる
七夕賞」は過去の話
先日の
ラジオNIKKEI賞は2番人気→1番人気で決着。小回り福島1800でハンデ戦と、波乱の余地が大きそうにも見えたが、そうはならなかった。高速馬場でスピード面の要求ハードルが高くなると、ハンデ戦とは言っても実力で劣る馬が食い込む余地は小さくなる。
七夕賞も同様の傾向で、時期変更後の5年間はすべて1分58秒台で決着。1番人気が2勝、2番人気と3番人気が1勝ずつと、順当に収まる傾向が強くなった。
2.軽量馬より背負っている馬
時期変更後の5年間の連対馬10頭中9頭までは、56kg以上の負担重量を背負っていた。57kgが4勝2着1回、58kgも2着2回で、トップハンデも2回連絡みしている。それ以前の5年間で55kg以下の馬が8頭も連対していたことと比較すれば、軽量馬の好走が難しくなっていることは歴然だ。
3.差し一手では勝ち切れない
前述のとおり、近5年間の勝ちタイムはいずれも1分58秒台。それ以前と比べると2秒ほど早くなっている。簡単に前が止まらない以上、早めに動いていく器用さがあることは勝ち負けするための必須条件で、過去5年間の勝ち馬はすべて4コーナーで4番手以内のポジションにつけている。
先行型が少ない組み合わせになった。これならば昨年の2着馬
マイネルフロストが優位と見る。前走の
エプソムCは休み明けでもあったし、重馬場のハイペースを積極的に追走する形。9着に沈んだのもやむを得ない結果だった。タフなレースを先行して頑張った経験は、今回スピードレースを走るための絶好の予行演習になった、とも考えられる。3歳時にはダービー3着もある実力馬。持ち時計も上位で得意の福島での巻き返しに期待したい。