ケンタッキーの「エイプリル2歳トレーニングセール」が復活することになった。主催するキーンランド社が5日に発表したものだ。
2歳マーケットの拡大にともない、1993年に創設されたのが、キーンランド社のエイプリル2歳トレーニングセールだ。
1年目の市場からいきなり、G1アップルブラッサムH(d8.5F)勝ち馬
トゥワイスザヴァイスや、G1フラワーボウル招待(芝10F)を制した
チェルシーフラワーらが出たこともあり、マーケットは順調に拡大。03年には総売り上げが2000万ドルを超え、04年には父プルピットの牡馬が330万ドルの最高値で購買されるなど、市場はおおいに繁栄した。
ところが2010年代に入ると、上場馬の確保に困難を来たすようになり、03年と05年には262頭いたカタログ記載馬が、14年は125頭と半分以下に。さらに、2歳市場特有の悪弊であるレイトスクラッチ(直前での欠場)がここでも増加し、14年はカタログ記載馬の半分を越える70頭が欠場。上場された55頭のうち17頭が主取りになり、購買されたのはカタログ記載馬の30%に過ぎない38頭に留まった。
総売り上げも1000万ドルを切ったことから、マーケットとしては機能していないとの判断があり、14年を最後にエイプリル2歳トレーニングセールは消滅していた。
しかしここへ来て再び、上場側と購買側の双方から、ケンタッキーに2歳馬のマーケットが必要との声が高まり、キーンランド社は2019年からエイプリルセールを再開することを決めたものだ。
詳しい日程は、今後関係者が協議した上で発表される予定となっている。
(文:合田直弘)