洋芝、小回りという独特な条件で、開催終盤に行われるため馬場状態も微妙。
JRA重賞の中でも難易度の高さでは指折りの存在で、毎年のように波乱の決着が繰り返されている。1番人気は最近10年間で2着が2回あるだけ。他場で形成された序列はほとんどあてにならず、「函館ならでは」という馬が日の目を浴びる舞台になる。
1.ステイヤー血統に要注目
メイショウサムソン、
ステイゴールド、
ジャングルポケット、
マンハッタンカフェ、
メジロマックイーン、
ダンスインザダーク、
ミルジョージ、
リアルシャダイ、
マヤノトップガン。近年の連対馬の父、母父を見ると、自身か産駒が長距離GIを制した馬の名前が並ぶ。
2.
巴賞組の重要性低下
かつては上位を独占することも珍しくなかった
巴賞組だが、2012年に施行時期が繰り上げられて以降の6年間では、
巴賞を
ステップにした馬の連対は[0-3-2-26]と、好走例が減少している。1番人気に支持された馬も3頭いるが、それぞれ4、10、6着。連対を果たした3頭は
巴賞では5、8、6着と、叩き台と割り切った形で敗れていた馬だった。
3.ベテランが存在感を示す
かつて
エリモハリアーが5〜7歳時に3連覇したことがあったように、ベテランの活躍が目立つレースで、最近2年間も6歳馬が連勝中。過去10年を見ても、6歳以上が5勝して2着6回と好成績を上げている。昨年は3歳の
サトノアレスが1番人気で6着、一昨年は4歳の
バイガエシが1番人気で5着。
ブラックバゴはエンジンの掛かりが遅い面がネックで出世に手間取ったが、準オープンを昨年の函館で、オープン特別を京都の重馬場でいずれも完勝。
パワーを要する状況ならば重賞クラスでも引けを取らない能力の持ち主だ。2歳時には
ホープフルSで3着、3歳時には
京成杯で2着があり、前走の
中山金杯も最速上がりを繰り出して僅差の4着。重賞でも勝ち負けできるだけの素地はすでに示している。鼻出血のトラブルがあって今回は半年の休養明けになるが、昨年1000万条件を勝ったときが5か月ぶりの一戦だったように、気性的に休み明けはマイナスにならないタイプだ。