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函館記念・G3」(15日、函館)
今年も波乱の決着だ-。好位からレースを運んだ5番人気の
エアアンセムが、直線鮮やかに抜け出し、7歳にして待望の重賞初制覇を飾った。7番人気の
サクラアンプルールが2着、13番人気の
エテルナミノルが3着に入り、3連単は57万円オーバーの大波乱。なお、1番人気の
トリコロールブルーは6着。これで12年連続で1番人気馬が馬群に沈んだ。
今年も荒れた。夏の名物ハンデ重賞を制したのは5番人気の
エアアンセム。2歳時に
ホープフルS(当時はオープン特別)を勝ち、クラシック候補と言われた素質馬が、7歳の夏にしてようやく重賞初タイトルを手中にした。
小回りコースでのお手本のようなレース運びだった。道中は好位の内。4角で早めに先頭に立つ
エテルナミノルをねじ伏せるように先頭に立つと、最後は
サクラアンプルールの猛追を半馬身差で封じ込んだ。殊勲の藤岡佑は「いい枠でしたし、スタートをしっかりと決められたのが勝因。3、4コーナーでも手応えは抜群でしたし、あとはどうさばくかだけ、という感じでしたから。最後もよくしのいでくれました」と笑顔を見せた。
前走の
エプソムCは1番人気の
ダイワキャグニーをマークした結果、仕掛け遅れて脚を余し、5着と敗れた。「オーナーからお叱りの言葉を頂いた」と藤岡佑は頭をかいたが、もどかしい思いを振り払いたかったのは吉村師も同じだ。「うまく乗ってくれました。いいポジションにつけてくれたし、4角もうまく外に出してくれた」と雪辱の手綱さばきを称賛した。
5歳時に左前脚の屈腱炎で1年間のブランクを余儀なくされたものの、不屈の闘志で復活。「7歳だけど休養が長かった分、元気で若い。このあとは未定ですが、コンスタントに使ってきたので無理をさせず、秋に備えたい」と師は今後に期待を寄せた。北の大地で開花したベテランホースが、自信を深めて実りの秋へとつなげる。
提供:デイリースポーツ