厩舎のイメージカラーや厩舎服は調教師が決めます。平田厩舎の
コンセプトカラーはオレンジ。夏場には爽やかさを、冬場には温かさを感じさせる元気のある色ですよね。多くの厩舎がその
コンセプトカラーに沿った作業服や馬具をつくっています。たくさんの厩舎が入り混じって調教しますが、我々取材陣は馬を特定するときにその色を頼りのひとつにしています。だから、平田厩舎といえばオレンジなんです。
そして、今朝坂路のモニターを見ていたら、平田厩舎に
オレンジオレンジという馬がいるではありませんか!
ノヴェリストの牝馬(
母ギフトオブザラック、母
父ディープインパクト)でなかなか時計も優秀。この馬の存在にびっくりしたわたしは、早速平田師にその名前の由来とデビュー予定を聞きにいきました。
「この馬の名前は馬主さんと一緒に話をしているうちに“オレンチオレンジ”でいこうということで盛り上がって、馬名審査も通ったんだ。でも、やっぱりもう少し親しみやすい名前に、ということで最終的に“
オレンジオレンジ”で落ち着いたんだよ」(平田師)
そんな
オレンジオレンジ、入厩は今月6日でその後すんなりゲート試験を合格しています。
「放牧に出して成長を促そうかとも思ったが、体もしっかりしているし状態が良さそうだったのでそのまま厩舎に置いておいたんだ」
その流れで、今朝は坂路で未勝利馬と併せて初の追い切りを行ったのだそうです。この時期、時計を出す前の段階では、どの陣営もデビューについては手探りが多いもの。ところが、
オレンジオレンジが叩き出した時計は54.9-39.4-13.1。この動きは平田師、嬉しい誤算だったようです。
「これは、デビューさせないと!」と平田師は急遽、新潟デビューを目論んでジョッキーを探しに行きました。
「まずは芝のマイルあたりでデビューさせたいね。バネがあるし、センスもいい。初めて時計を出したのに、いきなりこれだけ動けたのはいい。うん、いいねぇ」
(取材・文:花岡貴子)