夏のローカル重賞に一流馬が姿を見せることはあまりないが、その例外のひとつがこの
クイーンSである。メンバーが揃うこともあって、人気馬の信頼性は高い。過去10年で1番人気が7連対、連を外した3年はいずれも2番人気が連対している。ただし、1、2番人気で決着したのは1回だけで、過去10年中8回までは6番人気以下の馬が連に絡んでいる。
1.スピード勝負に対応できるか
開幕週の芝1800m戦であり、スピード勝負になることが大前提。いい位置でスムーズに流れに乗るためのスピードがあることが、勝ち負けするための必須条件になる。2015年の勝ち馬
メイショウスザンナは
マーメイドSからの臨戦だったが、もともとは1200から1600を主戦場にしていた馬だったし、2010年の
アプリコットフィズと2011年の
アイムユアーズは、
オークスからの臨戦ながら、それ以前にマイル以下の重賞での好走実績が豊富だった。
2.距離延長組強し
過去10年で距離短縮組が勝率5%、連対率11.7%であるのに対して、距離延長組は11.1%、25%と
ダブルスコア以上の好成績を収めている。なかでも注目は、
ヴィクトリアマイル、
NHKマイルCなど、前走で東京芝1600mを使われていた馬で、勝率19.0%、連対率38.1%。
3.前走惨敗馬の巻き返しが妙味
昨年の2着馬
トーセンビクトリーは前走
マーメイドS9着からの巻き返しで、一昨年の2着馬
シャルールは前走
ヴィクトリアマイルでは18着だった。2015年の勝ち馬
メイショウスザンナは前走
マーメイドSで10着、2013年は前走8着の
アイムユアーズと前走13着の
スピードリッパーによるワンツー。前走で凡走していた馬がリフレッシュして快走する例が毎年のように繰り返されており、前走の着順にあまり神経質になる必要はない。
注目は
ソウルスターリング。
ヴィクトリアマイルは上がりの速い競馬に苦しんで7着に敗れたが、着差は0.4秒差に踏ん張っている。今回は
ルメール騎手を
ディアドラに奪われた格好になるが、乗り替わる
北村宏司騎手が先週は札幌に駆けつけるなどして熱心に稽古をつけている。新馬戦を勝った洋芝の札幌に戻って、復活の準備は整った。