芝1800メートルの新馬戦を勝ち上がりながら、次走に距離が一気に3ハロン短縮するGIII
函館2歳S(芝1200メートル)を選択。
ラブミーファイン(牝・田所)のローテーションは距離体系が確立した現代競馬においては相当、異質に映ったのでは?
だからこそ軽視(7番人気)されてしまったわけだが、しっかり2着と結果を出したのだから、陣営の慧眼恐るべしである。このローテを発案したのは、誰あろうDr.コパこと小林祥晃オーナーだったという。
「オーナーは“決め付けは良くない。いろいろ経験させよう”というスタンス。実際、
ジャスタウェイ産駒はいろんな距離で勝っているし、僕自身も挑戦したい気持ちがあったから賛成した。それにしても、しっかり結果がついてくるんだから、すごいよね。我々はオーナーの見る目の確かさと、馬運の良さに便乗させてもらっている感じかな」(田所師)
大看板
コパノリッキーが去った後も、
ディープインパクト産駒などの超高額馬不在の手駒で、こうした活躍馬を途切れずに出すのだから、確かに小林オーナーの馬運は半端ない。
「競馬を楽しもうという気持ちを強く持っている。それがいいんじゃないかな。それも一人じゃなく、みんなで楽しみましょうという考え。馬の力はもちろんだけど、そういうオーナーの気持ちが馬に伝わるところもあると思うよ」(田所師)
言うなれば「笑う門には福来る」ということか。で、当代随一の“開運オーナー”の所有馬が、土曜(11日)小倉メイン・
阿蘇S(3歳上オープン、ダ1700メートル)に出走するとなれば、チェックは怠れない。さっそく
コパノチャーリー陣営に感触を聞くと…。
「夏に強いんでしょうね。夏バテしている馬って皮膚とか目の周りを見ると分かるんですけど、この馬にはそういう兆候がまったくない。体調はすごくいいですよ。去年もこのレースを勝ってますし、小倉の1700メートルは一番合っているんじゃないですか。連覇といきたいですね」と新谷助手。
この酷暑の中、すこぶる体調がいいのもオーナーの強運があればこそ? このところ馬券でまったく笑った記憶のない坂路野郎だが、今週は小林オーナーの運に、馬券という形で便乗してみようと思っている。
(栗東の坂路野郎・高岡功)
東京スポーツ