日曜札幌の
エルムSに、一昨年の覇者
リッカルド(7歳)を送り出す
佐藤裕太調教師(43)=船橋=は、14年10月の厩舎開業から初めての中央重賞チャレンジとなる。
「どんな競馬もできる馬。乗り手に従順だし、すごく賢い馬ですよ」。若きトレーナーが絶賛する
リッカルドは、その
エルムSでの勝利を最後に、勝ち切れないレースが続いていた。そこで心機一転とばかり、今年2月に南関東へ移籍。すると水を得た魚のように連戦連勝。重賞ばかりを4連勝し、続く前走の
帝王賞では地方馬最先着の4着と奮闘した。
ケガなどの理由で成績不振となった元・JRA馬を復活させる、まさに“再生工場”。今は亡き闘将・川島正行調教師(船橋)が得意としていた業のひとつだが、まな弟子となるトレーナーに、そのノウハウはしっかりと継承されていたようだ。
師匠はJRAに43回挑み、2着3回が最高。「中央の重賞を獲りたい」と話していたが、夢はかなわなかった。悲願は弟子へ引き継がれる。「ここを目標に順調に来られたし、いい出来をキープしています。メンバーはそろったけど、実績のある馬だし、楽しみの方が大きいです」と笑顔を見せた。天国の師匠が見守る北の大地で、大きな仕事を成し得ても不思議はない。(デイリースポーツ・村上英明)
提供:デイリースポーツ