札幌記念は夏のローカル開催で唯一行われるGII戦である。サマー2000シリーズの第4戦にして最大のポイントが付与されるレースでもあるが、
札幌記念の勝ち馬は
凱旋門賞や天皇賞など、GIへ直行することが珍しくなく、サマー2000シリーズとの結びつきはそれほど強くない。
1.スピードが必要
昨年の勝ち馬
サクラアンプルールは好メンバーの揃った
中山記念で2着していたし、一昨年の2着馬
モーリスは言わずと知れた名マイラーで、3着の
レインボーラインは
アーリントンC勝ち。2015年は
トーホウジャッカル、
ラキシス、
ラストインパクトと、長めの距離で実績を残した人気馬が全滅。2014年も
桜花賞馬
ハープスターが断然人気の
ゴールドシップを負かしている。
2.ベテランが優位に
昨年は6歳の
サクラアンプルールと8歳の
ナリタハリケーンでワンツー、2015年も6歳の
ディサイファと7歳の
ヒットザターゲットがワンツー。本来なら主役を演じるはずの4歳馬は、昨年2番人気の
エアスピネルが5着、2015年1番人気の
トーホウジャッカルが8着と、好走がここ4年間途絶えている。
3.休み明けでは厳しい
半年以上の休み明けでここに挑んだ馬は、過去10年で[0-0-1-5]と未連対。唯一3着したのが2番人気の
レッドディザイア(前年の
有馬記念以来)で、結果的に
レッドディザイアはこのレースが最後のレースになった。定量戦ということもあって、実績馬の復帰戦に選ばれるケースが多いが、順調さを欠いた馬は苦戦を強いられている。
マルターズアポジーはここまで重賞を3勝。昨夏にはマイルの
関屋記念も制した。札幌を走るのは初めてだが、新潟・福島・小倉で勝ち星を稼いでいるように、直線が平坦のコース形態がベスト。このメンバーでも上位争いが期待できる。