「新潟2歳S・G3」(26日、新潟)
もう何もすることはない。石川を背に、
アンブロークンが22日、気分良さそうに美浦Wを流して行く。向正面から3角、4角、そして直線も手綱はグッと押さえられたまま。それでも気持ちは前へ、前へと向かい、フットワークも力強い。馬場の外めを駆け抜け、5F69秒0をマークした。
動きを見つめた手塚師は「う〜ん、ちょっと時計が速かったかなぁ。でも、やれば動く馬だし、いい動きだったね」と満足そうに笑みを浮かべた。1週前追い切りでは、次週の
新潟記念で復帰する
セダブリランテス(4歳オープン)と併せ、1馬身の後れを取ったが、「相手は調教も動く馬だし、何だかビックリしたみたいだったね」と笑う。厩舎の看板馬の胸を借りて、闘魂注入も完了済みだ。
引き上げてきた石川は「先週よりも良かったです。手塚先生にはいい馬ばかり乗せて頂いているので、何とか結果を出したい」と力を込める。馬名の由来は“不屈の男”。昨夏の落馬負傷による長期離脱から、この春に復活を果たした石川にとって、復帰後初の重賞Vを狙うにはこれ以上ない相棒だろう。
「デビュー戦は出負けして掛かったけど、いいメンバー相手に、東京でしっかりと上がって来れた。距離は体型からも問題ないよ。それにしてもいい動きだったね」と繰り返した指揮官。無傷のまま初タイトル奪取へ-。この日の真っ青な夏空のように、視界をさえぎるものは何もない。
提供:デイリースポーツ