芝1200戦としては唯一のGIIで、
スプリンターズSの前哨戦に位置づけられる。一流馬の始動戦に選ばれることも多く、過去10年で1番人気は7連対と堅実だ。ただし、そのうち2着が5回あって、近年の最強ス
プリンターである
ロードカナロアも、2012、13年と連続して2着に終わった。GIへ向けた叩き台という側面にくわえて、サ
マースプリントシリーズの終着点という側面を併せ持っており、連単系の馬券で裏を狙う余地は小さくない。
1.高速レースの経験が活きる
過去10年で前走
アイビスSD組が[3-2-0-5]、前走
北九州記念組は[5-0-5-50]。勝ち馬の大多数がこの二組から出ている。近走でローカル平坦独特の厳しい流れを経験したことが、秋開幕週のスピード競馬への対応に際して有利に働くのだろう。一方で
高松宮記念から直行した馬は、1-3番人気を6頭含みながら[1-2-0-5]と勝ち味に遅い。
2.鋭い上がりが要求される
過去10年でレースの上がり3Fが一番遅かった年で34.5秒。33秒台を計時したことも4回ある。この速い流れを勝ち切るためには、当然鋭い決め手が必要だ。昨年のこのレースで人気になった
フィドゥーシアが逃げて9着に大敗したことが象徴するように、スピードだけでは勝ち切れない。
3.若い馬が躍動する
過去10年で3歳馬が3勝していて勝率16.7%、4歳馬が4勝で勝率17.4%。5歳馬も3勝しているが、分母が大きいぶん勝率は6.8%に留まり、6歳以上は2着が3回あるだけと勝ちが遠くなる。3歳馬の勝利は2015年の
アクティブミノルが10番人気、2012年の
エピセアロームが6番人気で、2010年の
ダッシャーゴーゴーが4番人気だった。
アサクサゲンキは2歳夏に短距離重賞を勝って、3歳初戦の
ファルコンSで2着。ここまでの実績は、2015年の勝ち馬
アクティブミノルと重なっている。馬券圏外の近3走も終いは着実に脚を使っていて、上がり3Fはそれぞれ33.1、32.9、33.9秒。古馬ス
プリント重賞の厳しい流れを経験しながら持ち時計も詰めてきた。決め手の鋭さが活きる当レースならば、近走の歯がゆさを払拭しても不思議はない。