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レッドファルクス陣営から“気になるひと言”/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2018年09月27日(木) 18時00分
 今年のスプリンターズSには前人未到の大記録がかかっている。レッドファルクスによる史上初のJRA同一GI・3連覇だ。昨年はGI昇級後で3頭目となるスプリンターズS連覇を成し遂げ、サクラバクシンオーロードカナロアという歴史的名スプリンターと肩を並べた同馬にすれば、約4か月ぶりの出走とはいえ、ここが今年最大の勝負の鞍であるのは歴然たる事実。ところが…。

「長めからやったのが、しまいの走りに出たのかな」

 管理する尾関知人調教師が開口一番こう語ったように、1週前追い切りの動きは決して見栄えのする内容ではなかった。追走する形とはいえ、馬なりのトップライセンス(1000万下)相手に一杯に追って半馬身遅れ。「体調自体はいいんですが、気持ちの面でズブくなっているのかも」と担当の齋藤大厩務員が漏らした通り、その姿は最優秀短距離馬のイメージと乖離するものだった。

 とはいえ、である。「馬自身は健康で元気いっぱいだし、だいぶ走る気になっている。昨年と同じイメージでいける」と指揮官が強気の姿勢を崩さないのも理由がある。

「もともとウッドですごく動く馬ではない。直線でしっかり手前を替えていたし、体の感じもよさそう。先行馬が動いてくれたおかげで、しまいの反応も変わってくる」(同師)。2週前はミルコ・デムーロを背に異例のゲートからの追い切り。「ぶっつけの分、実戦形式の調教も課す」ことで精神面のシェイプアップも図ってきた。その答えが数日後に出ようとしているのだが…。

 当方が引っ掛かったのは、最後に指揮官が口にしたこんな言葉だ。

「戦う相手はこれまでとほとんど変わらないわけですからね」

 今回のメンバーの半数近くが高松宮記念の出走馬。うちの5頭は昨年スプリンターズSで対戦した相手だが、実はそんな単純な話でもない。年齢的に最もフレッシュなはずの4歳馬の参戦が今年はゼロ。つまり2年前からの“椅子取りゲーム”がスプリント界では続いていることを意味する。

 実際、GI格付け後、32回の歴史の中で同様の年が一度だけあった。7歳の豪州馬テイクオーバーターゲット(1番人気)が制した06年である。この時はダートから転戦したメイショウボーラー(10番人気)が2着、3歳馬タガノバスティーユ(16番人気)が3着に入り、3連単263万円超の大波乱に終わっており、路線がカオス化した年だったが…。果たして今年は大偉業か、大波乱か。

(美浦の宴会野郎・山村隆司)

東京スポーツ

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