10月3日(水)に
船橋競馬場で行われる、第65回
日本テレビ盃(JpnII・3歳上・ダ1800m・1着賞金3200万円)。昨年の1〜3着馬である
アポロケンタッキー・
サウンドトゥルー・
ケイティブレイブに加え、復活を期す
テイエムジンソク、地方からは昨年の
ジャパンダートダービー優勝馬の
ヒガシウィルウィンなどがエントリー。
この後に来月の
JBCクラシックを見据える強豪が集結したこの1戦を、過去10年のデータから紐解く。
◆
JRA勢による人気通りの決着が圧倒的に多い
ダート
グレード競走の中でも屈指の堅さを誇る
日本テレビ盃。1番人気は[6-2-2-0]、2番人気は[2-3-2-3]、3番人気[1-5-4-0]。過去10年、なんと7度まで3連複が1〜3番人気で決まっている。人気馬、実力馬からどれを選ぶか。穴狙いははっきりと分が悪い。となると当然、
JRA勢の圧倒的優勢となる。
JRA勢は9勝、2着も9回。地方勢は2010年
フリオーソが最後の勝者で、2着も2008年に
フリオーソが
ボンネビルレコードと接戦して以来、途絶えている。ただし、この
フリオーソの好走はいずれも1番人気だった。
年齢別に見ると、5歳馬・6歳馬がそれぞれ4勝。そのとき旬、
ピークを迎えた馬がやはり強い。2、3着も含めると5歳馬がアベレージでリードする。やや厳しい高齢馬だが、2013年には当時7歳の
ワンダーアキュートが優勝している。
展開面でいうと過去10年、のべ20頭の連対馬の戦法は、逃げ=5、先行=6、差し=7、追込=2。たとえば
スマートファルコン、
アウォーディー、有力馬が自らレースを作る傾向にあり、そのままワンツーということも多い。ただし、「差し」のうち2回は今回も出走する
サウンドトゥルーによるもの。その他の例を見ても、差してきた例は人気サイドによるもので、「行った行った」になるというよりも、能力さえあれば展開に左右されるということはないと捉えたほうが自然だろう。
◆地方勢ではやはり
ヒガシウィルウィンに注目
サウンドトゥルーは言わずと知れた稀代の鬼脚。GI/JpnIをすでに3勝、このレースも前3年で2,3,1着と相性がいい。そして今回、
御神本訓史騎手起用も大きな興味。早めのまくりなど、新境地を開く可能性もある。今年で8歳という年齢が気にかかるが、前走の
帝王賞を見ても、衰えなく一線級でやれる力を持っている。
ケイティブレイブはダート
グレード競走を7勝。後方から突き抜けた昨年の
帝王賞を除き、常に正攻法。力の競馬ができるだけに信頼度がきわめて高い。前走の
帝王賞惜敗は展開のアヤ、勝負のアヤと納得できる。
地方勢で注目したいのが
ヒガシウィルウィン。人気以上に走り5着となった
帝王賞での上がり38秒5は現実にメンバー中第2位。厳しい経験を重ね、心身両面、期待通り充実している。4歳という若さは
日本テレビ盃のデータにおいては不利とも言えるが、血統からはさらに進化する可能性もある。船橋1800mも減点はない。
中団から上がり37秒1で
サウンドトゥルー、
ケイティブレイブとの叩き合いを制した昨年の覇者
アポロケンタッキー。気ムラな面はあっても、能力自体は超A級と断言できる。中間じっくり充電、リフレッシュなったかどうか。行き脚がつけば自在。
テイエムジンソクの
帝王賞は1000m通過59秒9。結果オーバーペースというしかない。今回の顔ぶれならタメをきかせて先行できる。昨年の
チャンピオンズCでの2着など左回り1800mは最適な舞台。
(取材・文=「日刊競馬」記者・吉川彰彦)