秋の天皇賞、あるいは
ジャパンCへの前哨戦。一昔前は、本命サイドで決着するレースの代表のように扱われた時期もあったが、最近6年間で1番人気が4回連を外しているように、人気馬がかつてほど頼りにならなくなっている。芝の状態が良好で上がりが速すぎるために、底力が問われるようなレースにならないことがそのおもな原因かもしれない。
1.高速上がりに対応できるか
ペースが上がりにくいコース形態で、頭数も落ち着くのが通例。くわえて秋の京都開幕週の絶好馬場と来れば、レース上がりはとことん速くなる。最近5年間の勝ち馬は、いずれも上がり3F34秒0以下のタイムをマークしている。2015年の勝ち馬
ラブリーデイは、究極とも思える32.3秒を記録した。
2.若い馬が中心、ベテランは苦戦
過去10年で4歳馬が[4-5-1-16]、5歳馬が[5-3-4-22]。7歳の
スマートレイアーが勝った昨年はあくまで例外で、基本的には4、5歳の2世代の争いになる。コース実績がある高齢馬が人気になることがしばしばあるが、連覇を狙った
ヒットザターゲット(2014年)が6歳時は4着、
ラブリーデイ(2016年)も6歳時には3着に敗れているように、ベテランのリピーター狙いは得策ではない。
3.ミスタープロ
スペクター系に注目
過去10年の当レースで一番勝ち星が多い種牡馬が
キングカメハメハの3勝で、2勝の
ディープインパクトを上回っている。2013年の勝ち馬
ヒットザターゲットは11番人気だった。ミスタープロ
スペクター系では他にも、
アドマイヤドン産駒の
アドマイヤデウスが一昨年に6番人気で2着している。
瞬発力勝負という観点から、
ブレスジャーニーに期待したい。エンジンの掛かりが遅い馬で、直線が短い北海道での3戦は条件が合っていなかった。2歳時には重賞を2勝したが、特筆すべきは新馬の東京芝1400mでマークした上がり3F32.9秒。上がりが速い競馬はめっぽう得意なタイプではないかと見る。3歳以降は勝利から遠ざかっているが、昨冬には
チャレンジCで
サトノクロニクルから0.1秒差の3着した実績もあり、古馬重賞でも勝負になる実力を秘めている。