伝統のオープン特別「いちょうS」を格上げして、さらに名称を変更して生まれたのがこのレース。オープン特別時代には、
エアグルーヴや
メジロドーベル、
イスラボニータなどを輩出、出世レースとの呼び声も高かったが、重賞に格上げされてからの4年間でも、
クラリティスカイ、
ダノンプレミアムの2頭がGI馬に育っている。
デイリー杯2歳Sの時期変更によって、秋競馬で最初の2歳重賞としての役割も備えることになり、昇格後の歴史は浅いが重要性は高い。
1.開幕週のスピードレース
2014年は1分33秒5の2歳コースレコード決着で、昨年も稍重ながら1分33秒0が出てレコードが更新された。重賞として行われた過去4年で2回稍重になったが、開幕週の絶好の馬場ということもあって、少々の降雨では馬場状態は悪化しにくい。スピード決着に対応できるかどうかが勝敗を分けるポイントになる。
2.早期デビュー組が優位
過去4年間の勝ち馬で一番デビューが遅かったのが2014年の
クラリティスカイの7月5日で、残る3頭はいずれも6月デビュー。勝ち上がりの時期にはばらつきがあるが、いずれも2歳戦開始早々にデビューしていた。真っ先にトレセンに入厩するということは、育成牧場で仕上がりが早い組だったことを示している。高速レースに対応するための完成度の高さの裏付けとして、早期デビュー組だったかどうかは判断材料として重要だ。
3.前走敗戦からの巻き返しは厳しい
過去4年のデータながら、前走で重賞・オープン特別・500万条件を使って負けていた馬の成績は[0-0-1-19]でまだ連対がない。昨年は
新潟2歳S3着の
テンクウが3番人気4着で、
札幌2歳S3着の
ダブルシャープが4番人気6着。
注目は
グランアレグリア。デビュー戦(東京芝1600m)の勝ちタイム1分33秒6は、6月の2歳戦としては驚異的な数字だ。
ディープインパクト産駒にしては距離に限界があるタイプかもしれないが、その反面スピードと完成度は高い。GIが視界に入る素質馬の要注目の復帰戦だ。