「おはよう。ユーイチ、大丈夫か?」。栗東トレセンで、関係者に何度も声をかけられる光景が、福永の存在の大きさを物語った。「ありがとうございます。大丈夫です」。その都度、丁寧に笑顔で応じる姿に人柄がにじむ。9月16日の阪神6Rで入線後に落馬負傷。約半月の休養を経て、再び馬上に帰ってきた。
3日朝一番で、
毎日王冠出走の
ステファノスの追い切りに騎乗。「乗る分には問題ない。あいてたって言っても2週間だし」と違和感はない。診断名こそ頭蓋骨骨折、気脳症と衝撃的だったが、「空気が入って感染症の可能性もあったし、抗生剤を打って感染しないようにしていた。ただ、強い衝撃だけ気をつけたら何でもできたから」と症状は軽度だった。順調に回復して復帰へ
ゴーサイン。早速3日夜、
日本テレビ盃(船橋)で
ケイティブレイブを勝利に導いてみせた。
休養中は主戦を務める
ワグネリアンが
神戸新聞杯をV。「勝ってくれて良かった」と、代役を務めた藤岡康をねぎらった。先週は
武豊がJRA通算4000勝も達成。「その場に立ち合いたかった。4000回勝ったこともだけど、乗っている数がすごい」と先輩の姿に刺激をもらった。周囲も自らも待ち望んだ騎手・
福永祐一の復帰。戻ってきた主戦場で再び輝きを放つ。(デイリースポーツ・大西修平)
提供:デイリースポーツ