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スワーヴリチャード 勝負運引き寄せた/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2018年10月24日(水) 18時00分
 安田記念3着以来の出走となるスワーヴリチャードは、北海道胆振東部地震の影響で栗東トレセンへの帰厩が1週間ほど遅れたという。これは緻密な調整が求められる最高峰GIに向けて、少なからずマイナスポイントになった?

 いや、これがまったくもってそうではないうえに、勝負の世界で欠かせない“ある要素”からいえば、むしろ大きなプラスになるかもしれない。

 まずは担当の久保淳助手の言葉を聞こう。

「(北海道胆振東部地震の影響で帰厩が)遅れた、遅れたといわれるけど、実際に戻ってきた9月13日は、もともと帰厩させようと早くから決めていた日なんだよね。たまたま俺が長く1頭持ち(持ち乗りの助手は基本2頭を担当するが、馬のケガなどで担当が1頭だけになる期間もある)をしていたから、それなら帰厩を早めようか、という話が持ち上がっただけのこと。だから実際のところは当初に決めていた帰厩日に戻ってきただけなんだよね」

 では、なぜ早くから関係者が9月13日に決めていたのか。その理由もあるのだという。

「今年の9月13日って、日にちとしてめちゃくちゃいいんだって。大安とか、そういうものの最高ランクらしい」

 調べてみると、確かに2018年9月13日は1年で最高の吉日だった。

「大安」なのはもちろん、この日に行動を起こすと大きな成果がもたらされるという「一粒万倍日」で、さらには天が万物を赦す日で、暦の上で最も吉日といわれている「天赦日」(年に5、6日しかない)も重なるという“トリプル吉日”なのだ。何かをしようとするならこの日がベスト――。「お日柄」に関するものにはすべてこう記されている。

 つまり、スワーヴリチャードにとって“勝負の秋”へ向けての始動をするうえで、一番いい日だったわけだ。

 振り返れば、直前の追い切りにミルコ・デムーロが乗った影響か、速い時計が出過ぎて、栗東にいた時より20キロも体が減りながら(大阪杯1着時からは10キロ減)、差のない3着に入った安田記念は負けて強しのレース内容。今回は同じ轍を踏まないよう、直前はあまりやり過ぎないようにするのだという。

 実力は文句なしなら、左回りの2000メートルという舞台設定も言うことなし。さらには勝負の世界で必要とされる“運”も「9月13日始動」で引き寄せたはず。このスワーヴリチャード天皇賞・秋を快勝となれば…。坂路野郎は次の「トリプル吉日」がいつになるかを、すぐさまチェックすることになるだろう。

(栗東の坂路野郎・高岡功)

東京スポーツ

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