12月2日に中京競馬場で行われる
チャンピオンズC(3歳上・GI・ダ1800m)。水曜日に
ゴールドドリームの回避が発表され(状態次第で、
東京大賞典を視野)、3強対決として盛り上がるはずが、2強対決となり、3歳王者
ルヴァンスレーヴの1番人気が間違いない状況となりました。
3歳馬が勝てば、東京2100mで行われていた
ジャパンCダートの2006年
アロンダイト以来、12年ぶりの快挙。
ジャパンダートダービー勝ち馬による
チャンピオンズC制覇は、2005年
カネヒキリ以来13年ぶり。強いといわれている3歳世代が古馬に勝ってしまうのか、注目の1戦になっています。
アロンダイト以降、3歳馬が勝っていない、つまり中京ダ1800mに舞台を移してからは3歳馬は勝っていません。これには理由があります。3歳の中距離ダート路線は
昇竜S、
兵庫チャンピオンシップ、鳳雛S、
ジャパンダートダービー、
レパードSなどがあり、この中距離路線のレースが軒並み、時計が遅いのです。
今年の
ジャパンダートダービーでは、
オメガパフュームが1000万下を勝って2着と好走しましたが、1000万下を勝てるレベルの走りができたら、勝負できるのが
ジャパンダートダービーです。同時期に同条件で行われる
帝王賞の勝ち時計は、普通の良馬場なら2分3秒後半〜4秒前半。強い馬だと2分3秒台前半で走ります。一方、
ジャパンダートダービーは2分5秒台。2分4秒台なら、今後が楽しみだなと思うレベルです。
過去10年で勝ち時計が2分4秒9以内の勝ち馬をあげると、2008年
サクセスブロッケン(2:04.5)、2009年
テスタマッタ(2:04.5)、2011年
グレープブランデー(2:04.9)、2013年
クリソライト(2:04.8)、2014年
カゼノコ(2:03.9)の5頭。さらに遡っても
フリオーソ、
カネヒキリ、
ゴールドアリュールなどが該当します。不良馬場で、かなり時計が出ていた2014年以外の勝ち馬は、すべて古馬になってGI、JpnIで結果を出しています。
「古馬になってからしか」結果が出ないのは、
帝王賞で約1秒速い時計で走っている馬たちと戦うことになるからです。
ジャパンダートダービー勝ち馬のなかには、ここまでにすでに
JBCクラシックを使ってきて、古馬と初対戦ではない馬もいます。
ただし、地方交流重賞で目標が先、かつ中央馬が6頭ぐらいの
JBCクラシックと、ほぼすべてが中央馬で2レースしかない
中央競馬のダートGIを取りに来ている
チャンピオンズCでは、位置取りの厳しさ、道中のペースなどレースレベルがまったく違います。この“レースレベルの差”に対応できずに3歳馬は苦戦するのですが、この差は成長とレース経験で縮まってくるので、古馬になってから結果が出るようになるのです。
これは、東京2100mから阪神・中京1800mになって3歳馬の結果が出ていない事実にもつながっています。1800mと比べて2100mでは当然、道中のペースが遅くなります。東京の場合は長い直線もあり、追走が楽になるので対応しやすいレース条件。さらに、斤量も3歳では55?でした。※今年の京都で行われた
JBCクラシック(1900m)も3歳馬は55kg。
ちなみに、今年の
ジャパンダートダービーの勝ち時計は、2:05.8。近年では普通なのですが、これは遅い。このレースだけでなく、今年の3歳中距離路線は例年にないくらいスローペースばかり。そして、
ゴールドドリームを破った
マイルCS南部杯もスローペース。速いペースに見ていた
ユニコーンSも、超高速馬場で1000m通過が59秒4。馬場を考えると速くありません(そもそもマイルでの経験は、今回のレースにはつながらないが)。
これまで述べてきたように、この中距離のレース経験の差を考えると、古馬を優先して選択するのが的中への近道ではないでしょうか。逆にいえば、ここで
ルヴァンスレーヴが勝つようなら、今後のダート界がこの馬の時代になる可能性が出てくるということでもあります。いずれにしろ、
ルヴァンスレーヴの走りには注目です。
(文=nige)
ゴールドドリーム回避で風雲急を告げる
チャンピオンズC。
ルヴァンスレーヴか、
ケイティブレイブか、はたまた穴馬か。nigeの結論は「
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ウマい馬券」では、
チャンピオンズCを大特集してます。プロたちの見立てはいかに!?