「チャンピオンズC・G1」(2日、中京)
世代交代を高らかに告げた。1番人気に推された3歳馬
ルヴァンスレーヴが、好位追走から鋭く抜け出して、レースレコードタイの好タイムでV。
南部杯に続く古馬撃破を決め、統一ダートG1・4勝目を挙げた。次戦は
フェブラリーS(2月17日・東京)が有力。その先は世界に視線を向けていく。2着は8番人気
ウェスタールンドで、3着には3番人気
サンライズソア。2番人気に推された
ケイティブレイブは11着に惨敗した。
わずかでもスペースがあれば、
ルヴァンスレーヴには十分だった。インの2、3番手という絶好のポジションを確保。内ラチ沿いを通って迎えた最後の直線だ。鋭く、軽やかに、前にできた隙間を突く。一気に突き放して2馬身半差のV。激しい2着争いを尻目に、悠々と押し切った。
「感動している。スタートも出て、いいポジションで折り合った。直線で前があいた時も馬なりで伸びた」。M・デムーロは
大阪杯(
スワーヴリチャード)以来、久々のG1勝利。この秋はここまでG1、8戦に騎乗して、2着3回、3着2回。検量室前で
ルヴァンの首を両側からさすった。この秋、苦しかったトンネルを抜けさせてくれた感謝の表現だ。
地下馬道では、昨年覇者
ゴールドドリームの回避で騎乗がなかったルメールが待っていた。「ダートの
アーモンドアイだね」。自身の目下最良の相棒である三冠牝馬を引き合いにしたのは、最大限の賛辞に違いない。前日は2人そろって阪神で騎乗。ミルコは最終レースに騎乗馬がなかったが、ルメールの勝利を待って年間200勝の祝福プレートを掲げる役を買って出た。
「きょうはクリストフが待っていてくれた。ああ言ってくれたけれど、本当にバケモノですね」。早い時期から短期免許での来日を繰り返し、日本でしのぎを削ってきた“戦友”の祝福が、何よりうれしかった。
来年はきっと、この2組の人馬が、世界に日の丸を掲げに行く。萩原師は「馬にとっていい方向へ。オーナーの意向もある。それに沿って考える」と明言を避けたが、主戦は「夢はいっぱい。いろんなレースを勝ちたい。僕はどこでも乗りに行く」と胸を高鳴らせた。
年明け初戦は
フェブラリーSが有力。それがドバイへの壮行戦か。さらに、秋には米BCクラシックへの殴り込みがあるかもしれない。国内ダート界は、桶狭間にて平定した。この先目指すべきは世界制覇だ。
提供:デイリースポーツ