■
リスグラシュー(
香港ヴァーズ2着)
前半は14頭立ての後方から3番手を追走。3コーナー過ぎから徐々に位置取りを上げ、残り200mあたりで、先に先頭に立っていた
エグザルタントをとらえ、一旦は前に出る場面もあったものの、最後に差し返されてクビ差2着。
・
矢作芳人調教師
「勝ったと思ったんだけど……。日本での前走にくらべたらちょっと(馬体は)細いなと思いましたけど、海外に来たらこの馬にはこれが精いっぱいかなと思いました。それよりも落ち着きがあったんで心配ないと思いました。ジョッキーはうまく乗ってますし、我々の力が足りなかったと思います。一度前に出てるだけに残念だったけど、内にもたれていました。最後内にもたれたぶんの負けだってジョッキーも言ってました。
瞬発力勝負の競馬になると思っていたので、真ん中より前には行かない、あの位置取りでとは思っていました。向正面でペースがガクッと落ちたときに、ちょっと噛んだよね。それはしょうがないかなと思いますけど、ちょっと最後にもたれたぶん、負けたという、そういう競馬でした。以前は東京までの輸送でも大変だったのが、香港まで来てこういう競馬ができるというのは、偉い馬です。馬に感謝です。今回でメドがついたのでまた海外にも出ていきたいです」
■
クロコスミア(
香港ヴァーズ10着)
マイペースの逃げに持ち込み、直線を向いても先頭だったものの、徐々に後退。勝ち馬からは8馬身3/4離されて10着。
・西浦勝一調教師
「いい状態で出走することができて、道中も自分のペースでレースができました。4コーナー手前まで楽な手ごたえで来ていたので、ひょっとしたらと思ったんですけど、最後は力尽きたという感じでした。精一杯のレースをしたと思います。もう少しがんばってくれたらよかったんですけど」
・
岩田康誠騎手「自分のペースで行けてこの馬のレースはできたけど、早めに来られて苦しくなりました。レースごとに落ち着きがでてきて、ドバイのときよりも落ち着いてましたし、冷静にレースができたと思います。結果的には残念でしたけど、今度はもっと頑張ってくれると思います。以前はカッとするようなところがあったんですけど、今はそれもなくなって、マイルよりも2000とか2200mとかのほうが、レースがしやすいと思います」
■
ファインニードル(
香港スプリント8着)
スタートは互角だったものの、中団の外目を追走。4コーナーでは5番手で先頭を射程にとらえる位置まで進出したものの、直線では伸びがなく8着。
・
高橋義忠調教師
「春に香港に来た時に比べても、すべてに関して理想とするような状態にもってこられたと思っています。パドックでは大人しいような感じだったんですけど、ジョッキーがまたがった瞬間に目つきが変って、スイッチが入りました。(他馬がゲート入りをいやがって)ゲートの中で待たされたのが一番の敗因ではないかと思います。
ジョッキーも上がってきて、あのような
テンションでは走れないかな。ゲートの中で戦闘モードから一旦息が抜けてしまったような状態でゲートを切ってるんで、この距離でそのような状態でスタートを切ったら、やはりないかなという感じです。いい状態で来ていたので、それだけに残念です。これも競馬なので仕方ないです。ゲートに入ってすぐにスタートを切っていれば、最後の直線もパンチがなかったっていうんで、そのへん気持ちも抜けてたのかという感じです。最後、直線で一発気合のムチを入れたときに反応してるんで、やはり馬の気持ちひとつだったのかなと思います。
このレース、日本の馬は難しいかなというのは始めからわかって挑戦しているので、しかたないですけど、これが次のレースに力となってつながれば、またいいレースを見せられるかなと思います。力は出し切ってないですね。戻ってきてもすぐ息が入ってましたんで、走り切ったときはかなりわかるんですけど、それがなかったんで」
(取材・文:斎藤修)